東門明

東門 明（とうもん あきら）の生涯

東門 明は1952年に生まれ、1972年に19歳という若さで命を落としたアマチュア野球選手です。内野手としての才能を持ちながらも、意外な運命に見舞われました。

来歴・人物

神奈川県茅ヶ崎市立松浪中学校からスタートし、その後武相高等学校へ進学した東門は、当初は投手として甲子園を目指していましたが、1970年の夏、神奈川県予選の準々決勝で東海大相模に敗戦。東海大相模はその後、甲子園大会で全国を制した学校です。彼には、同じタイミングで野球を目指していた仲間もおり、菅野光夫や金島正彦などがいました。

1971年に一般入試で早稲田大学教育学部に入学した東門は、その後早稲田大学野球部に所属。彼は高校の卒業文集に「我が青春に悔いはなし」と記したと伝えられています。打撃力を活かすため内野手に転向し、2年次の春には三塁のレギュラーをつかみ、背番号9を与えられました。彼はリーグ戦での活躍が評価され、第1回日米大学野球選手権大会の日本代表にも選ばれました。

大会での出来事

1972年の7月9日、明治神宮野球場で開催された日米大学野球選手権大会の第2戦において、東門は7回に代打で出場します。三遊間へのヒットを放った後、次のプレーで米国代表の遊撃手、アラン・バニスターの送球が彼の頭部に直撃し、倒れ込んでしまいます。倒れた当初は意識がありましたが、その後、嘔吐を伴う症状が出たため、すぐに慶応病院へ搬送されました。診断の結果、右側頭骨の骨折と頭蓋内出血、脳挫傷であることが判明しました。

東門は療養を続けましたが、7月14日11時35分、19歳の若さでこの世を去りました。彼の無念は、日本代表としての試合に臨んでいたチームメイトにも深く刻まれ、特に東京に戻った後の式典で、関係者が集まる中、東門の両親の前でアラン・バニスターが頭を長く下げた姿が印象的でした。

遺された背番号

彼が着用していた背番号13は、日米大学野球選手権日本代表の永久欠番として認定され、また早稲田大学野球部においても彼の背番号9が永久欠番となりました。その影響を受けた選手の一人、パンチ佐藤はプロ入りの際に東門への敬意から背番号9を希望しましたが、その番号は当時の主力選手により使用中のため、代わりに「45」を選びました。この番号は、4と5を足して9になるための選択でした。

終わりに

東門明の短い生涯は多くの人々に惜しまれ、その姿が今も多くの野球ファンの心に残っています。彼の情熱や努力は、今も野球界に影響を与えつづけています。

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