東隆眞

東隆眞（あずま りゅうしん）の生涯と業績

東隆眞は、1935年12月20日に京都府丹波市に生まれました。彼は真言宗の寺院で育ち、1953年に徳島県の成満寺で渡辺頼応に師事し、仏教の道を歩み始めました。この出家を経て、1954年には総持寺で修行を重ね、それが彼の仏教への理解を深める基盤となりました。その後、1956年には駒澤大学の仏教学部禅学科に入学し、1960年に卒業した後、大学院に進学します。1962年には修士課程を修了し、駒沢学園女子中学校の教諭に就任しました。

1964年には大乗寺の山主である松本龍潭に嗣法し、以降は自身の寺院活動と教育活動を両立させていきます。1977年には山口県弥勒寺の住職に就任し、1985年には松兼寺に転任します。また、1982年には駒沢学園で学監に昇任し、1990年には女子中学校・高等学校の校長にまで昇進します。1995年には駒沢女子短期大学長、そして駒沢女子大学学長に就任し、2002年に名誉教授となります。

東隆眞の研究分野は主に曹洞宗学であり、瑩山紹瑾や徹通義介の思想を深く学びました。彼は、曹洞宗や禅の教えを広めるために多くの著作を発表し、その中でも『道元小事典』や『洞谷記に学ぶ』などは特に評価されました。また、彼は仏教の伝承を現代に生かすために、古典の翻訳や現代語訳も手掛けています。

彼の業績はさまざまな形で認められ、1969年には日本印度学仏教学会賞、1995年には東京都功労者として表彰されました。著書には、例えば『誓願に生きる』や『日本の仏教とイスラーム』、さらには『仏陀から道元への道』などがあり、これらの作品は多くの読者に影響を与えました。

彼はまた、研究者としての活動だけでなく、寺院の活動でもリーダーシップを発揮しました。2003年には大乗寺専門僧堂堂長に就任し、その後も2022年までさまざまな役職を務めました。2022年5月17日、彼は大乗寺にて遷化し、その生涯を終えました。彼の影響力は仏教界にとどまらず、多くの人々に深い感銘を与えるものでした。

東隆眞の足跡は、曹洞宗の学問と実践の両面で今後も語り継がれ、多くの後進に受け継がれていくでしょう。彼の研究と著作は、今なお多くの人々によって読み継がれ、仏教の深い理解へと導いています。

もう一度検索