東雲 (東雲型駆逐艦)

駆逐艦東雲（初代）の歴史

駆逐艦「東雲」は、大日本帝国海軍の東雲型駆逐艦のネームシップであり、1897年にイギリスで起工された艦船です。この艦は、同名の吹雪型駆逐艦が存在するため、しばしば「東雲（初代）」や「東雲I」と呼ばれます。以下では、この艦の詳細な歴史について振り返ります。

艦の建造と竣工

「東雲」は1897年にソーニクロフト社によって「第三号水雷艇駆逐艇」として起工され、1898年3月16日に「東雲」と命名されました。その後、1899年には竣工を迎え、水雷艇（駆逐艇）として艦籍に登録されました。1899年4月15日には横須賀に到着し、同年6月22日に海軍艦艇類別標準の改正により、駆逐艦として正式に分類されました。このとき、同艦は佐世保鎮守府に配属され、更に継続的に常備艦隊に組み込まれました。

日露戦争での活躍

1904年に開始された日露戦争においては、第一艦隊の第三駆逐隊に所属し、重大な戦闘行動に参加しました。特に、1905年2月8日の第一回旅順口攻撃では、防護巡洋艦「パルラーダ」に魚雷を命中させる成果を上げました。この他にも、黄海海戦や日本海海戦に参加し、戦後の1905年10月23日に行われた凱旋観艦式にも参加しました。その際、自艦は第四列に配置され、艦と艦員の誇りを示しました。

艦種の変更とその後の運命

「東雲」は1905年12月12日に駆逐艦に種別変更されました。1912年の艦艇類別標準改正により、駆逐艦のカテゴリーが整理される中で、東雲型は三等駆逐艦として分類されました。

その後、1913年に入ると、淡水から馬公に向かう途中に暴風によって座礁し、7月23日には船体が切断され沈没しました。同年8月6日には除籍され、11月29日には沈没したまま売却される結果となりました。

艦の指揮を執った艦長たち

「東雲」は、その歴史の中で多くの艦長に指揮されました。初代艦長は磯部謙少佐で、任期は1900年から1902年にかけての約2年間です。その後も大尉や少佐が艦長を務め、多くの艦長がこの艦を指揮しました。艦長たちはそれぞれの時期において、艦の運営や任務遂行に貢献しました。

結論

駆逐艦「東雲」は、明治時代における日本海軍の重要な艦艇の一つであり、その艦歴は日露戦争における貴重な戦力としての役割と連動しています。艦が持つ数々のエピソードは、今もなお多くの人々に受け継がれています。艦の存在は、大日本帝国海軍の歴史の中で重要な位置を占めており、その功績は多くの資料や記録に残されています。

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