杵埼 (給糧艦)

杵埼（きねさき）についての詳細

杵埼は日本海軍に属する特務艦であり、特に運送任務に従事しました。もともとは雑役船として計画され、その後、太平洋戦争の影響で特務艦に分類されました。この船は、戦争の激化とともに様々な役割を果たしましたが、運送任務の最中に撃沈されてしまいました。

計画と船型

杵埼は1938年に計画が始まり、当初は小型冷凍船を設計することが目的でした。この計画に基づいて、昭和14年度に建造されたのがこの艦で、運用実績を受けて同型艦の建造が進められました。杵埼は1,000トン型で、特に前檣にヤード付き棒マストを持つ独自のデザインが特徴でした。積載量は生糧品82トンと真水71.7トンという数値が示されています。

艦歴

1940年3月7日、杵埼は大阪の鉄工所で起工し、6月には進水、9月には竣工を迎えました。最初は公称番号第4006号として運営されていましたが、同年10月には「南進」と改名され、佐世保海軍軍需部の供用先として糧食補給の重要な任務に就きました。1941年にはトラック、サイパン、パラオなどに対して食料の補給や特設運送船の荷役などを行い、その功績は海軍省からも評価されました。

1942年4月には特務艦としての地位を与えられ、正式に「杵埼」と命名されました。この後も、各地の基地への糧食補給に従事し、多くの運航任務を遂行しました。特にトラックやラバウルなどの重要な地点への往復を繰り返し、戦局において重要な役割を果たしました。

1943年と1944年の活動

1943年に入ると、杵埼は依然として様々な補給任務を実施しました。マーシャル諸島やギルバート諸島への糧食補給に参加し、さらに内地への帰投も何度か行い、その都度横須賀で修理や整備を行いました。特に年度を通じての活動は非常に活発で、多くの場合、艦隊に同行し、重要な物資を供給する役割を担っていました。

1944年には、南洋方面部隊に配属され、サイパンや奄美大島といった地点への輸送任務を継続しました。この間、艦隊の他の船と合同で行動することもありました。

沈没

しかし、1945年2月には運命が変わりました。杵埼はカタ604船団に参加し、那覇へ向かう途中、アメリカ艦上機の攻撃を受けて沈没しました。この出来事により、杵埼は公式に艦籍から削除され、特務艦としての歴史に終止符が打たれました。沈没後も、彼女の名前は特務艦の歴史の中で忘れられることはありません。

結論

杵埼の艦歴は、日本海軍の特務艦の役割や、太平洋戦争初期の運送活動の重要性を物語っています。彼女が果たした任務と、その犠牲は、海軍の歴史の一部として、今後も語り継がれていくことでしょう。

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