杵屋巳太郎

杵屋 巳太郎

杵屋巳太郎（きねや みたろう）は、長唄三味線の伝統を持つ名跡であり、代々その名を受け継いできた家系が存在します。初代から続くこの名跡は、多くの著名な芸人を輩出し、特に7代目は人間国宝に認定され、長唄の発展に大いに寄与したことで知られています。今現在、8代目がその名を引き継ぎ、さらなる発展を目指しています。

初代からの歴史

初代は、後の2代目杵屋彌十郎であり、彼が作曲した「めりやす」や「五大力」などの曲は、現存する長唄の一部として重要な役割を果たしています。その後の代も、各々の個性で長唄に貢献してきました。

• - 2代目：後の3代目杵屋彌十郎になり、その活動を通じて名跡の重要性を確立しました。
• - 3代目：本名は宮沢竹十郎で、1822年に初舞台を踏み、その後3代目巳太郎として活躍。特に「奴の巳太郎」と呼ばれるほどの名人として知られました。
• - 4代目：宮沢竹次郎として知られ、得意とした上調子の演奏スタイルにより「上調子の巳太郎」と称された。彼もまた、名跡を受け継ぎ、長唄の発展に寄与しました。
• - 5代目：本名は宮沢力之助で、初名は杵屋力之助。名門の家系から生まれ、歌舞伎座で活躍し、名作の創作にも力を入れました。
• - 6代目：宮沢賢二として最初は著名な家元に師事し、戦後の長唄復興に尽力。多くの新作を発表しました。
• - 7代目：宮澤雅之として、長唄の真髄を受け継ぎ、数多くの受賞歴を持つ一流の演奏家であり、弟子に名跡を譲ることで次世代の発展も視野に入れています。

8代目の活動と未来

8代目杵屋巳太郎（本名：塚村康和）は、先代7代目から名跡を受け継ぎ、2022年以降の新たな挑戦を続けています。1982年に師匠に入門し、以後三味線方として活躍してきました。2008年・2017年には国立劇場特別賞を受賞し、その功績が評価される中、舞踊公演や歌舞伎公演においても数多くの作曲を手がけています。

特に、歌舞伎公演向けの作品や、舞踊公演での作曲が評価されており、教育的な役割を果たす一方で、伝統文化を未来へと繋げる重要な役割を担っています。

まとめ

杵屋巳太郎の名跡は、代々受け継がれた伝統を基に、芸術としての長唄三味線を継承しながら新しい表現へと挑戦を続けています。8代目の活動がどのような道を歩むのか、今後の展開が大いに期待されます。

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