松前勝広 (子爵)

松前勝広（まつまえ よしひろ）は、1889年（明治22年）に生まれ、1940年（昭和15年）に没した明治時代から昭和時代前期にかけて活躍した子爵です。旧蝦夷松前藩（館藩）松前氏の第15代当主であり、父は松前修広でした。妻は大藪房次郎（実業家、衆議院議員）の三女・スカで、子に松前正広（長男）、松前之広（次男）がいます。

経歴

1905年（明治38年）4月、父・修広の死去に伴い家督を継承しました。1911年（明治44年）3月には学習院高等学科を卒業しています。1921年（大正10年）8月に創立された帝国土地開拓（虚業企業として知られています）の取締役に就任。その後、養老信託（九条道孝の三男で男爵の九条良致が社長を務める会社で詐欺事件で知られています）監査役、東洋土地開拓取締役を歴任しました。1929年（昭和4年）9月、長男の正広に家督を譲り隠居。同年11月には分家しています。

家族とその後

勝広の死後、長男の正広が家督を継ぎましたが、太平洋戦争に二等兵として出征し、1944年（昭和19年）10月にニューギニアで戦死しました。そのため、次男の之広が後を継ぎましたが、2008年（平成20年）に病死しています。之広は教育者としても知られ、1985年（昭和60年）から2年間、横浜市立本郷養護学校（現・横浜市立本郷特別支援学校）の校長を務めました。

栄典

1914年（大正3年）6月10日 - 正五位

家族構成

父：松前修広（1865 - 1905） - 蝦夷松前藩14代藩主。
母：松前藤子（1869 - ?） - 本多助実の娘。
妻：大藪スカ（1893 - 1967） - 衆議院議員・大藪房次郎の三女。
長男：松前正広（1917 - 1944） - 勝広の死後、襲爵するも1944年、ニューギニアで戦死。
次男：松前之広（1926 - 2008） - 教育者。兄の死後、家督を継ぐ。

参考文献

『昭和新修華族家系大成』（霞会館・吉川弘文館、1984年）
* 千田稔 『華族総覧』 講談社現代新書 2001 ISBN 978-4062880015、33p

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