松原望

松原 望（まつばら のぞむ）

松原 望氏は1942年7月12日生まれの男性であり、日本における著名な統計学者および数理社会学者である。彼は東京大学の名誉教授であり、さらに聖学院大学の客員教授としても活躍している。

学歴と研究の歩み

松原氏は1966年に東京大学教養学部基礎科学科を卒業。さらに1972年には「Test Procedures for General Lehmann Alternatives」という博士論文を執筆し、博士号（Ph.D）を取得した。

その後、文部省統計数理研究所にて研究員としてキャリアをスタートし、数理統計学や確率過程論、不変測度論についての研究に従事した。1968年にはスタンフォード大学で統計学の博士課程に留学した後、1972年に日本に復帰し、ベイズ意思決定理論に関する研究にシフトした。

1977年からは筑波大学において助教授として多変量解析や社会工学についての教育・研究を行い、1985年から1986年にかけてイェール大学でフルブライト研究員として国際政治学における権力の数理モデルに関する研究を行った。1986年には東京大学教養学部の教授に就任し、1996年からは大学院での教鞭も担当した。その後、新領域創成科学研究科の教授を経て、定年退職後には上智大学と聖学院大学で教授として活躍している。

著作と貢献

松原氏は数多くの著作を持ち、自身の専門分野である統計学に関する重要な書籍を多数執筆している。代表的な著作には『意思決定の基礎』（1977年）、『統計的決定』（1992年）、『わかりやすい統計学』（1996年、2009年改訂版）、『社会を読みとく数理トレーニング』（2004年）などがある。これらの著作は、統計学の理解を深めるための重要な資料として広く利用されている。

また、著書の中には、計量社会科学に関する内容も多く含まれており、例えば『ゲームとしての社会戦略』（2001年、増補版2008年）や『計量社会科学』（1997年）もその一例である。これらの書籍は社会現象を数理的に解析するための基盤を提供している。

さらに、共著や編著も多く手掛けており、特に『統計学100のキーワード』（2005年）や『国際政治の数理・計量分析入門』（2012年）などは、教育現場や研究において重要な役割を果たしている。

影響と評価

松原氏の業績は国内外で高く評価されており、特に統計学や数理社会学の発展に寄与してきた。その業績は学術界だけでなく、実務の領域でも影響を与えており、多くの学生や研究者に影響を与え続けている。特に、彼の書籍は数理や統計に関心を持つ人々にとっての指針となっている。

松原望氏は、日本における統計学の発展に多大な貢献をする一方で、教育者としても次世代を担う研究者たちを育て上げる重要な役割を果たしている。彼の研究や著作を通じて、多くの人々が統計学の重要性を理解し、社会に役立てることができていることは、彼の真の功績であると言える。

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