統計数理研究所

統計数理研究所について

統計数理研究所（Institute of Statistical Mathematics、略称：統数研）は、日本の東京都立川市に設立された大学共同利用機関であり、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構の一部を形成しています。この研究所は、統計学およびその関連分野において中心的な役割を果たしています。特に日本では、欧米に見られるような統計学を専門に学ぶ大学が少なく、関連する研究機関もほとんどないため、統計数理研究所は国内で唯一、専門の研究者を多数擁する重要な機関となっています。さらに、「Annals of the Institute of Statistical Mathematics」や「統計数理」といった学術誌の発行元としても機能しています。

統計学の学際的活用

統計学は自然科学、社会科学、人文科学の各分野で幅広く利用される重要な技術であり、学際的な研究活動が求められています。統計数理研究所では、他の大学との研究交流が活発に行われており、共同利用制度に登録すれば他大学の教員も多様な研究資源を活用することができます。これにより、国を越えたさまざまな統計関連の研究が進められています。

大学院教育の実施

同研究所は、総合研究大学院大学統計科学専攻の基盤機関として大学院教育を提供しています。在籍する学生は、博士後期課程のほか、2006年度から新たに設置された5年一貫制博士課程で学ぶことができます。また、一般向けに1日から10日間のセミナーも定期的に開催され、広く国民に知識を提供しています。大学教育機関としての役割も担うため、在職教員には国立大学と同様の呼称が使われており、教授や准教授、助教といった役職が設定されています。

統計数理研究所の沿革

統計数理研究所の歴史は1944年に始まり、学術研究会議の提案を受けて文部省直轄の研究所として発足しました。当初は東京都台東区の帝国学士院内に設置されていましたが、1955年には港区麻布に移転。そして1985年には共同利用機関に改組され、1989年には現在の大学共同利用機関としての地位が確立されました。その後も多くの改変や組織再編が行われ、2004年には大学共同利用機関法人として新たなスタートを切りました。

2006年には博士課程の新しいシステムが導入され、2009年に立川市に移転し、現在は国立極地研究所や国文学研究資料館とともに科研棟に所を構えています。また、研究者が共同利用や共同研究を行うための宿泊施設「赤池ゲストハウス」も運営されており、研究者同士の交流の場ともなっています。

研究組織と教育機関としての役割

統計数理研究所は、複数の研究グループに分かれた専門的な研究組織を持っており、各グループが特定のテーマに沿った研究を進めています。また、歴代の所長や研究者については、研究所の公式ウェブサイトに情報が掲載されています。

このように、統計数理研究所は日本国内における統計学の重要な研究機関として、教育や研究、国際的な協力を通じて多岐にわたる役割を果たし続けています。

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