松坂局

松坂局の生涯

松坂局（まつざかのつぼね、慶長3年（1598年） - 元禄元年（1688年））は、江戸時代の重要な時代背景の中で活躍した女性です。彼女は、徳川綱重の乳母であり、畠山義継の娘として生まれ、名は千代保（おちょぼ）として知られています。また、彼女の乳母名は近江局とされています。

幼少期と大坂城への入城

松坂局は、最初に江戸幕府の第二代将軍である徳川秀忠の正室・江の長女である千姫に仕えました。千姫は豊臣秀頼のもとに嫁ぐこととなり、その際、小姓として名を馳せた松坂局は、千姫の乳母である刑部卿局とともに大坂城に入ります。この時期、松坂局は千姫や刑部卿局とともに充実した生活を送りました。

大坂の陣と逃避行

しかし、時は経ち、1663年（大坂夏の陣）の際には大坂落城という悲劇に見舞われます。そのとき、松坂局は千姫や刑部卿局と共に逃げることになります。彼女たちは淀殿や秀頼の侍女たちを伴い、危険な状況下での逃避行となりました。このような困難な時期を通じて、松坂局は千姫にとって大切な存在となりました。

千姫との親密な関係

元和2年（1616年）、千姫は本田忠刻と結婚することになります。結婚前には、千姫は満徳寺に入寺し、豊臣秀頼との関係を清算するために松坂局が代理で訪れることとなります。この時、乳母刑部卿局は俊澄と名乗り、住職として新たな役割を担います。

その後、家族に次々と不幸が訪れます。千姫の夫である本田忠刻や、彼女の嫡子である幸千代、姑の熊姫が亡くなり、千姫は江戸に戻されることになります。この際、松坂局と刑部卿局は千姫に同行し、彼女の支えとなりました。

徳川綱重の乳母として

また、千姫の弟である徳川家光の側室が産んだ子供、徳川綱重を養育する乳母としての役割も果たします。松坂局の侍女であるお保良の方は、後に綱重の側室となり、6代将軍の徳川家宣を出産します。このように、松坂局は多くの家族に関与し、強い絆を築く存在となりました。

晩年と死

生涯の終盤に至るまで、松坂局は千姫や長昌院、徳川綱重の死を見届けることになります。彼女は91歳という高齢でこの世を去りますが、その長い人生の中で彼女が果たした役割や貢献は、今でも多くの人々に語り継がれています。松坂局の生涯は、江戸時代の女性たちの力強さと影響力を示す素晴らしい例と言えるでしょう。

出典

• - カラー版徹底図解大奥（新星出版社）
• - 澤田ふじ子「千姫絵姿」

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