松尾歩

松尾 歩（まつお あゆむ）

松尾歩は1980年3月29日生まれの日本の将棋棋士で、棋士番号231を持っています。愛知県日進市出身で、将棋の道を歩むきっかけは、名古屋大学の教授である父親からの教えでした。

幼少期とプロ入り前の経歴

松尾は小学生の頃からその才能を発揮し、1990年にはジュニア選手権小学生の部で全国2位という成績を収めました。この結果は彼の将棋キャリアのスタート地点となり、1993年には中学生将棋名人戦に出場しましたが、敗退してしまいました。さらに同年の中学生部門のジュニア選手権中部・東海地区大会ではベスト8に進出し、その存在感を示しました。

将棋の段位は1994年に6級で奨励会に入会し、初段から三段までの昇級は比較的スムーズでした。1999年には三段リーグに進出し、14勝4敗という好成績で四段に昇進。とうとうプロ棋士としてのデビューを果たしました。

プロ入り後の躍進

プロ入り後の2001年度、松尾は新人王戦で優勝を果たし、同時に順位戦C級2組では全勝を記録しました。この年の彼の勝率は0.744で全棋士中3位の成績を収め、新人賞を受賞しました。2002年には王位戦の予選に進出し、挑戦者決定リーグに参加しましたが、2勝3敗と振るわず陥落しました。

その後も彼の対局には注目が集まり、2005年のNHK杯戦では敗勢からの二歩による反則負けが話題になりました。このような珍しい事例は、将棋界では非常に珍しいことでした。

松尾の棋歴は多岐にわたり、2006年には竜王戦2組の3位決定戦に勝利し、1組に昇級しました。2007年にはペア将棋の「1dayトーナメント」に男性棋士として初めて参加し、元妻の香織とのペアで優勝を果たしました。

継続する挑戦

2008年、彼は王位戦リーグに出場するも結果が残せず、9年後の2017年には竜王戦1組ランキング戦でついに優勝。それにより初めて挑戦者決定三番勝負に進むことができましたが、最終的には挑戦者にはなれませんでした。2019年には再び2組に降級したものの、2021年には再び1組に復帰しました。

2022年にはB級1組からB級2組への降級が決まりましたが、NHK杯戦では準決勝進出後、決勝で豊島将之に敗れ、全棋士参加棋戦での初優勝は果たせませんでした。

人物と棋風

松尾は自身を「かなり人見知り」としつつも、丁寧な対応を心掛ける性格です。父親が物理学者という背景もあり、知的な雰囲気を持ち合わせています。棋士としては居飛車を基本としつつ、後手番では振り飛車を採用することもあります。特に居飛車穴熊と横歩取りの「松尾流」という独自の戦型を考案し、他の棋士からも広く用いられるようになりました。

昇段履歴と主な成績

松尾の昇段履歴は1994年に6級、1999年には四段に昇進しプロ入り。その後、段位を上げ続け、2015年に八段に昇進しました。主な棋戦優勝には新人王戦1回の経験があり、将棋大賞では新人賞や名局賞を受賞しました。さらに「B1の番人」とも称される松尾は長い間、棋士としての地位を築いてきました。将棋界での松尾歩の存在は、今後も注目され続けることでしょう。

もう一度検索