横歩取り

横歩取り戦法の概要

横歩取り（よこふどり）は、将棋の中でも特に有名な戦法の一つであり、特徴的な進行方法で知られています。具体的には、15手目に先手が後手の歩を取ることで激しい攻防が始まります。この戦法は、特にアマチュア間では多様な展開が見られ、非常に魅力的なものとなっていますが、プロ棋士にとっては一手のミスが敗北につながる危険があり、深い研究が求められます。実際、対局開始から終局までのさまざまな変化が研究されていることでも知られています。

戦法の歴史

横歩取りの起源は江戸時代にまで遡り、多くの棋譜に確認されています。特に大橋柳雪の著作『平手相懸定跡奥義』が、横歩取りについて最初に記述した文献と考えられています。しかし、明治から昭和初期にかけては、先手が△3四歩を取るのが逆効果だとされていました。この時代、横歩を取ることは戦略的に不利とみなされ、先手が劣位に立つことが一般的でした。

昭和5年頃から、木村義雄がこの通説を覆し、横歩取り戦法を採用して高い勝率を挙げることで、先手が横歩を取る戦略が広まりました。これに伴い、相がかり戦法との組み合わせで横歩取りを採用する棋士も増えました。

後手の指し方も革命的に進化し、内藤國雄のように積極的な戦法が見られるようになりました。さらに、羽生善治や森内俊之らの登場を経て、横歩取り戦法は新たな局面を迎え、1997年には中座真が発表した△8五飛戦法が大きな注目を集めました。これは、過去に例のない形相を生み出し、一時的に後手の勝率を大きく引き上げました。

基本的な手順と変則形

最初の共通手順として、1手目から15手目までの進行が定まっています。この段階で先手は多くの選択肢を持つものの、後手もまた多様な反応が許されています。特に後手が選択する手によって、ゲーム展開は大きく変わります。プロの実戦では、後手のは△8六歩がほとんど採用され、その後も選択肢が続きます。ここでの駆け引きが、局面の優劣を大きく左右します。

相横歩取り戦法や△4五角戦法など、多様な変化も考えられ、各々の展開は異なり、急速に終盤へ進行する可能性があります。これらの形は、特にトップ棋士間の対局において、しばしば数十手で決着がつくこともありますが、逆に一手の選択ミスが致命的な結果につながることもあります。

終わりに

将棋の横歩取り戦法は、豊富な歴史と多様な展開を持つ戦法であり、近年もさまざまな新しい試みが続いています。特に、2020年代に突入してからはAIの影響もあって新たな発見が爪を掻き、以前とは異なる戦術が試されています。

横歩取りは常に進化し続けており、これからの将棋界においてもその重要性は変わらないでしょう。将棋を知る上で、この戦法の理解は実に有意義です。

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