松島利行

松島利行：映画評論家の歩み

松島利行（まつしま としゆき）は、1937年11月11日に東京で生まれ、2018年5月11日に心不全のため80歳で逝去した、日本の著名な映画評論家です。彼の業績は、日本映画界において重要な位置を占め、多くの人々に映画の魅力を伝え続けました。

学歴とキャリアの始まり

東京外国語大学のフランス語学科を卒業した松島は、その後毎日新聞社に入社しました。新聞社でのキャリアを始めた彼は、まず『サンデー毎日』の編集部で経験を積んでいきました。1979年2月からは、本格的に毎日新聞の映画担当記者として活動を開始し、映画の評論や特集記事を執筆しました。

彼は映画だけでなく、囲碁にも深い造詣を持っており、毎日新聞の映画・囲碁担当編集委員としても活躍しました。松島は、映画と囲碁の両方に興味を持ち、これをどのように結びつけていくかを探求していました。

教育活動と審査員活動

松島は日活芸術学院で講師を務め、多くの若手映画関係者に指導を行いました。彼の授業は、映画に関する深い知識を提供し、学生たちに新しい視点を与えるものでした。さらに、文化庁芸術祭賞、毎日映画コンクール、そしてキネマ旬報などの賞の審査選定委員を務めるなど、その影響力は広範囲に及びました。これにより、多くの映画作品が彼の評価を受けることとなり、日本映画界における彼の存在は揺るぎないものとなっていったのです。

代表的な著作

松島利行の著作も、映画評論の分野で高く評価されています。彼の著書『風雲映画城』（上下）と『日活ロマンポルノ全史―名作・名優・名監督たち』はいずれも講談社から出版され、映画ファンにとっての必読書とされています。

また、彼は上村一夫との共著で『上村一夫の世界』を1973年に刊行し、さらに2003年からは「碁ワールド」において「そこに碁盤があった 囲碁と映画の文化論」という連載を開始しました。これらの著作を通じて、松島は映画と囲碁が持つ文化的な相互作用についての考察を深める機会を提供しました。

影響と遺産

松島利行の死は、映画界だけでなく広く文化界にとっても大きな損失となりました。彼の直筆の評論や著作は、今後も日本映画に興味を持つ人々に読み継がれ、影響を与え続けることでしょう。松島は、映画という表現形式と囲碁という古典的なゲームを通じて、文化の豊かさを広めた先駆者として、永遠に記憶される存在です。

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