松平典信

松平典信（まつだいら すけのぶ）は、寛永6年（1629年）に生まれ、江戸時代前期に活躍した大名です。丹波国篠山藩の2代藩主であり、形原松平家の8代当主にあたります。官位は従五位下大和守、後に駿河守に任じられました。諱は「のりのぶ」とも読まれます。

初代藩主・松平康信の長男として摂津国高槻で生を受けた典信は、慶安4年（1651年）に従五位下・大和守に叙位・任官されます。その後、明暦元年（1655年）には駿府守に改任されました。寛文9年（1669年）に父・康信が隠居したことに伴い、家督を継承し、篠山藩の2代藩主となります。

藩主となった典信は、領民の生活を第一に考えました。特に飲料水の確保に尽力し、玉水の清泉を復活させました。この清泉は、飲料水としてだけでなく、酒造りや灌漑にも利用され、領民の生活を豊かにしました。

しかし、藩主としての在職期間はわずか3年後の寛文12年（1672年）11月20日、江戸で44歳という若さで亡くなりました。跡は次男の信利が継ぎました。

系譜

父：松平康信（1600-1682）
母：常覚院 - 水野重央娘
正室：専称院 - 板倉重宗娘

子女

次男：松平信利（1659-1677）
三男：松平信庸（1666-1717） - 松平信利の養子
長男：松平信孝（1655-1690） - 庶長子。松平重信の養子
女子：松平光永正室
女子：板倉重郷養女 - 内藤忠次正室のち中山信行継室
女子：戸田重恒正室
女子：松平忠充正室
女子：松平氏辰室
女子：真田信音正室
女子：永井直敬正室
女子：松平近禎正室

短い藩主在任期間ではありましたが、松平典信は領民を思い、善政を行った大名として、その名を歴史に刻んでいます。

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