松平忠清

松平忠清（まつだいら ただきよ）

生涯

松平忠清は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した大名で、三河国吉田藩の第2代藩主です。竹谷松平家の7代目当主でもあります。通称は與次郎、官位は玄蕃頭、民部大輔。

初代藩主・松平家清の長男として生まれました。母は徳川家康の異父妹である天桂院（久松俊勝の娘）で、幼名は万之助と名乗りました。この血筋からもわかるように、忠清は徳川家と非常に近い関係にありました。

慶長15年（1610年）、父・家清が急逝したため、家督を継いで吉田藩主となりました。翌慶長16年（1611年）には、参内を終えた徳川家康が駿府へ帰る際、海路を選択しましたが、強風のため船が進まず、三河湾の牟呂（現在の豊橋市牟呂）の海岸に漂着しました。この際、家康一行は休息のため吉田城に立ち寄り、忠清は急な対応に追われたと伝えられています。さらに、慶長17年（1612年）には、家康が鷹狩りのために吉田城に宿泊し、その際に忠清へ宿賃として銀100枚が下賜されました。このことから、忠清が家康から一定の信頼を得ていたことがうかがえます。また、家康は鷹狩りの帰路にも吉田城に立ち寄っています。

しかし、忠清はそれから間もなく、慶長17年（1612年）4月20日に急病により28歳という若さで亡くなりました。嫡子を定めていなかったため、吉田藩は無嗣除封となってしまいました。

竹谷松平家の存続

忠清の死後、吉田藩は一時的に取り潰しとなりましたが、竹谷松平家のこれまでの功績を考慮した幕府は、忠清の異母弟である清昌に三河宝飯郡西ノ郡に5000石を与え、交代寄合として存続させました。これにより、竹谷松平家は、大名家としては途絶えたものの、家名自体は存続することとなりました。

松平忠清は、その短い生涯の中で、徳川家康との深い関わりを持ち、吉田藩主として藩の運営に尽力しました。彼の急逝は、吉田藩にとっては大きな痛手でしたが、竹谷松平家はその後も歴史を刻み続けました。

補足

松平忠清は、家康との縁が深く、その関係は単なる主従関係を超えたものであったと考えられます。
吉田城は、忠清の時代には徳川家康の休息地としても利用されており、重要な拠点であったことがわかります。
* 忠清の死後、竹谷松平家は一時的に衰退しましたが、その家名は後の時代にも受け継がれていきました。

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