松平治好

松平治好（まつだいら はるよし）

松平治好は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した大名であり、越前国福井藩の第13代藩主です。彼は明和5年（1768年）に福井藩の前藩主である松平重富の長男として生まれました。生涯において、彼は数々の官位を受け、特に正四位下・左近衛権中将という位まで上り詰めました。

生い立ちと家督相続

治好は天明3年（1783年）に元服し、従四位上・侍従に叙任されました。この際、徳川家治より偏諱を受けて「治好」と名乗り、さらに伊予守の称号を持つこととなります。寛政11年（1799年）、父である松平重富が隠居したことに伴い、治好は家督を継承しました。その後、同年末には左近衛権少将に任命され、享和2年（1802年）には越前守に改名、文化8年（1811年）には左近衛権中将に昇進しました。

正室との縁と大名としての拡大

文化14年（1817年）、治好の嫡子である仁之助が、当時の11代将軍・徳川家斉の娘・浅姫との婚姻を承諾され、その結果として越前藩の石高が2万石増加し、32万石となりました。このように彼の統治下で藩は一定の繁栄を見ました。

藩政と財政問題

文化4年（1807年）には医学所の済世館を設立し、藩内の医療の向上に努めましたが、一方で、幕府の命令による隅田川の普請や江戸藩邸の焼失、さらに治好自身の贅沢な生活が原因で藩財政は困窮しました。文政5年（1822年）以降は、藍玉の専売制を導入するなどの政策を進めましたが、財政の立て直しは難航しました。

最期とその後

文政8年（1826年）、江戸で逝去した治好は享年58歳でした。彼の死後は、嫡子の斉承がその後を継ぎました。治好の業績は、当時の越前藩の発展に寄与した一方で、個人的な extravagance が藩財政に負の影響を及ぼしたという一面も持っています。

家族の系譜

治好の家族についても触れておくと、彼の父は松平重富、母は徳川宗将の三女である致姫です。正室には徳川宗武の八女である定姫を迎え、子供たちも複数おり、その中には長女の箏や、次男の斉承などが含まれています。また、側室と子供たちもおり、治好家の系譜は複雑に展開していました。

治好の生涯は、藩主としての務めや家族の歴史において、江戸時代の政治と社会の一端を物語っています。

もう一度検索