松平浅五郎

松平 浅五郎（まつだいら あさごろう）

松平浅五郎は、江戸時代中期に活躍した大名で、美作津山藩の2代藩主として知られています。享保元年（1716年）9月1日に、初代藩主である松平宣富の長男として誕生しました。彼の短い人生は、藩の歴史の中でも特異なものでした。

生涯の始まり

浅五郎は享保6年（1721年）に父を亡くし、わずか5歳で家督を継承しますが、享保11年（1726年）には11歳の若さで早世してしまいます。彼の死去は、津山藩にとって大きな影響を及ぼしました。なぜなら、彼には嗣子がいなかったため、藩の存続が危ぶまれたからです。

御家断絶とその対策

依法則、浅五郎の死により藩主の血統が途絶え、御家断絶や改易が避けられない状況となりました。しかし、松平知清の三男である又三郎が名跡を継ぐことで、緊急措置として藩は存続を果たしました。もっとも、このようにして名跡を継承したことは、いわゆる「末期養子」とされ、藩の石高は10万石から5万石に半減されるという罰則が課せられました。この結果、幕府からの待遇や官位も低くされ、藩は困窮の一途をたどります。

藩の再興への道

その後、松平家の4代後、斉孝はこの事態に不満を抱いていました。彼は江戸幕府に対し、かつての10万石へ復帰することを訴えます。そして文化14年（1817年）、11代将軍・徳川家斉の十四男である銀之助（後に斉民と名乗る）を養嗣子として迎え入れました。この措置が功を奏し、津山藩は5万石の加増を得て、ついに旧来の10万石に復帰することができました。この結果、藩は官位や待遇においても優遇されるようになり、松平家の名声が再び高まりました。

まとめ

松平浅五郎の短い生涯は、その後の津山藩の運命にも大きな影響を与えました。藩主としての在位はわずか11年でしたが、彼の存在は藩の歴史において重要な役割を果たし、後の世代がその復興を目指す要因にも続きました。松平家の伝統は、困難を乗り越えて再び栄え、歴史に名を刻むこととなったのです。

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