松平親盈

松平 親盈（まつだいら ちかみつ）

松平親盈は、豊後杵築藩の第五代藩主であり、能見松平家の十一代目にあたります。彼は第4代藩主の松平親純の長男として生まれ、元文4年（1739年）に父が死去した後に家督を継ぎました。彼の在任期間は時代の波に翻弄され、特に財政面での苦労が目立ちました。

財政再建の試み

親盈は藩の財政状況を改善することを大きな課題とし、さまざまな施策を講じました。その一環として銀札を発行し、倹約令を施行しました。これにより藩民への経済的な負担を軽減し、安定した財政基盤を築こうとしました。しかし、宝暦年間には複数回にわたる凶作が発生し、これにより藩財政の再建は非常に困難な状況に陥りました。発行した銀札や倹約令は思うような効果を上げることができず、結果として藩の経済は悪化の一途をたどることとなりました。

隠居と晩年

親盈は自らの治世の結果に心を痛めたのか、明和4年（1767年）8月14日に長男の親貞に家督を譲り、隠居しました。隠居後の生活は比較的静かだったと考えられますが、それでも藩の行く末を見守る立場であったことは間違いありません。彼は家族や藩士たちにとって大変重要な存在であったと言えるでしょう。

最終的に、親盈は寛政12年（1800年）12月26日に75歳で亡くなりました。彼の在任中には多くの困難がありましたが、その中での試みや苦悩は、藩の歴史において重要な位置を占めています。親盈の治世は豊後杵築藩にとって試練の時期であったものの、彼自身の努力は後世に伝わる教訓として受け継がれています。彼の生涯は、藩主としての責任や財政運営の難しさを物語っていると言えるでしょう。

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