能見松平家

能見松平家の歴史

能見松平家は、松平氏の庶流に属する武士および華族の家です。松平信光の八男、光親を祖とし、その系統は江戸時代に大名となり、明治維新後には華族として子爵の位を得ました。特に、家系の歴史には数々の戦功や、家族の位置づけに関する興味深いエピソードが存在します。

発祥の背景

『寛政重修諸家譜』によれば、能見松平家の祖は松平信光の八男・光親（次郎右衛門）です。光親は多くの武功を上げ、額田郡の能見や阿知和などを支配していました。これにより、彼の家系は能見松平家と名乗るようになりました。

松平重吉の活躍

能見松平家の事績が具体的に伝わるのは3代目の松平重吉に関連する出来事です。重吉は、戦功を挙げることが多く、特に永正9年（1512年）には15歳で初めての戦に参加し、多くの戦果を上げました。彼は松平昌安の推薦により松平清康の近侍として仕え、その後も三代にわたり松平家に仕官します。

重吉の活躍の中でも、寺部城の戦い（家康の初陣）や、二俣城の戦いにおいては、年齢を感じさせない勇猛果敢さを示しました。特に77歳で先陣を切ったという記録は、その高齢にも関わらず戦士としての姿勢を物語っています。

重吉の子供たち

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重吉の長男・重利は桶狭間の合戦の前哨戦で戦死し、次男の能見重茂も寺部城攻めで戦死しました。重利の子、松平昌利は父の死後に生まれ、松平重勝に後見され、能見松平家の嫡流として位置づけられました。昌利の子は松平昌吉であり、彼もまた歴史に名を刻みました。

松平重勝の系統

能見松平家の中で特に発展を見せたのは重吉の四男・重勝の系統です。重勝は16歳の若さで大番頭に任命され、重要な戦闘で功績を挙げていきました。慶長17年（1612年）には松平忠輝の家老として活躍し、その後大名に列されました。彼の子孫にも多くの忠臣が出ており、次世代にわたる繁栄が見られました。

重勝の長男・松平重忠は出羽国の藩主に昇格し、重勝の三男と四男はそれぞれ別の藩で大名となりましたが、重則の系統は無嗣断絶、勝隆の系統は改易と波乱に満ちた運命をたどりました。このように、どの家系も興隆と衰退を経験し、形成されてきた歴史が色濃く残っています。

明治における変遷

明治維新後に華族制度が整備されると、能見松平家もこの制度の中に取り入れられました。明治2年（1869年）には藩知事に任命されたことで、政治的な影響力を保持しました。後には、華族の子爵の位に叙せられ、その伝統を引き継ぐこととなります。

光親の二男：親友の系統

松平光親の二男である松平親友の系統も、能見松平家の支流として位置づけられています。親友は数多くの村を知行し、戦死を遂げるまで精力的に活躍しました。その子孫にも様々な武士が存在し、家族の繁栄が引き継がれています。

異なる系流の中でも、松平家には多くの興味深いエピソードがあり、系図も複雑さを増しています。これらの事績を紐解くことにより、能見松平家の深い歴史とその背景を理解することができるのです。

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