松戸京葉劇場

松戸京葉劇場

概要と歴史

松戸京葉劇場（まつどけいようげきじょう）は、過去に千葉県松戸市根本に存在した映画館です。

昭和46年（1971年）頃、同じく松戸市根本に位置する松戸弁天劇場と共に営業を開始しました。この劇場は、一般向けの作品を上映する映画館からジャンルを変更したのではなく、オープン当初から一貫して成人映画専門館として運営されていた点が特徴です。

所在地と施設

劇場の所在地は、千葉県松戸市根本461番地でした。昭和55年（1980年）3月に新たに建設された鉄筋コンクリート造り6階建ての「弁天会館」内に移転・入居し、同ビルの4階で営業を継続しました。1990年代半ばから後半にかけては、200名の観客を収容できる規模であったと記録されています。この弁天会館は、閉館後も現地に現存しています。

上映作品と姉妹館

松戸京葉劇場では、主に日活ロマンポルノシリーズの作品が上映されていました。同時に開館した松戸弁天劇場では、外国映画を含むピンク映画などが上映されており、それぞれ異なる嗜好を持つ観客層に向けて成人映画を提供していました。

しかし、姉妹館である松戸弁天劇場は、松戸京葉劇場より早く、昭和57年（1982年）後半には営業を終了しました。

運営の変遷

劇場の経営は、開館当初から昭和63年（1988年）まで、創業者とされる岩山睦氏が担いました。この間、支配人としては田中義一氏（開館当初は両劇場を兼任）、大沢建介氏、小林了典氏などが務めました。

昭和63年（1988年）からは、劇場の運営権が倉内進氏に引き継がれました。倉内氏は個人経営者として、閉館に至るまでの期間、館主と支配人を兼任しました。

松戸市における歴史的位置づけ

松戸京葉劇場が誕生した1970年代初頭、松戸市内にすでに存在していた主要な映画館は、いずれも松戸駅の西口側に集中していました。これには、市内で最も歴史を持つ松戸常盤館（本町）や、輝竜会館内にあった松戸大映（後のシネマ1）、松戸バンビ（後のシネマ2）が含まれます。

これに対し、松戸京葉劇場と松戸弁天劇場は、松戸駅東口側に初めて開業した映画館群であり、市内の映画館の地理的な分布に変化をもたらしました。

松戸京葉劇場は、平成12年（2000年）にその歴史に幕を閉じました。この閉館により、松戸市内で営業を続ける映画館は、松戸サンリオシアターや松戸シネマサンシャインといった、複数のスクリーンを持つシネマコンプレックスのみとなり、個人や独立した経営者による単館映画館は市街から姿を消しました。

その後、市内に残ったこれらのシネマコンプレックスも、平成25年（2013年）1月31日をもってすべて閉館し、一時的に松戸市内から映画館が完全に無くなるという時期がありました。

松戸京葉劇場の閉館は、単に一つの映画館の終了というだけでなく、松戸市における独立系映画館の時代の終焉を象徴する出来事の一つとして位置づけられます。

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