松本ハイランドすいか

松本ハイランドすいか

概要

松本ハイランドすいかは、長野県松本市を主な産地とするスイカのブランドです。松本ハイランド農業協同組合が、管内の和田、新村、今井、波田、山形地区で栽培されたスイカを集荷、選果、出荷しています。

この地域は、火山灰由来で水はけの良い土壌と、中央高地式気候による昼夜の寒暖差が大きいことが特徴です。この恵まれた環境が、甘く美味しいスイカを育む要因となっています。栽培は、松本ハイランド農協すいか生産部会が定めた範囲内で行われ、生産されたスイカは、波田下原にある選果場に集められます。ここでは、自動機械で糖度などを測定し、等級分けされた後、箱詰めされ、東京や大阪をはじめとする全国の市場に出荷されます。栽培面積は約250ヘクタール、年間出荷個数は約200万個に及びます。

歴史

松本ハイランドすいかの歴史は、1935年頃に波田下原集落でスイカ栽培が始まったことに遡ります。1950年代後半には、「下原スイカ」として松本地域で広く知られるようになりました。1960年頃には、並柳地区でもスイカ栽培が盛んになり、下原集落の農家は、並柳地区や千葉県のスイカ農家、東京の青果市場を訪れ、栽培技術を学んでいました。

隣接する和田地区や山形村でも、下原集落の影響を受け、スイカ栽培が広がりました。1970年頃には、旧波田町の水田地帯で、水田の休耕・転作政策が進められ、その転作作物としてスイカの栽培が拡大しました。1981年には、波田町農協が政府の補助金を受け、「スイカ共同選果所」を建設しました。これにより、各農家が個別に行っていた選果作業が、選果場での自動機械による選果に変わり、品質の均一化と効率化が図られました。出荷されるスイカには「下原スイカ」のレッテルが貼られ、東京市場でも高い評価を得ました。

その後、松本平農協も和田地区に「スイカ共同選果所」を設置し、「松本すいか」というブランド名で出荷を開始しました。1992年、松本平農協、波田町農協、山形村農協が合併し、松本ハイランド農協が発足。「松本ハイランドすいか」という統一ブランド名で出荷されるようになりました。2つの選果所は、波田町農協の選果所に統合され、和田地区の選果所は直売所「すいか村」として、毎年夏季に賑わっています。

2012年の動き

2012年の露地物スイカの出荷は7月9日に始まりました。この日、松本ハイランド農協の選果所には、36軒の農家が約1万玉のスイカを持ち込みました。検査員が傷などを確認し、センサーが糖度や熟度を測定した後、重量・品質別に箱詰めされ、全国各地へ出荷されました。この年は、6月以降の日照時間が長く、昼夜の気温差も大きかったため、糖度が高く、まれに見る出来の良さであったと評価されています。出荷の最盛期は7月下旬から8月中旬で、9月中旬までに約250戸の農家が260ヘクタールで栽培した約200万玉のスイカが、選果所から全国へ出荷されました。

共同選果所の様子

松本ハイランドすいかの共同選果所では、農家から持ち込まれたスイカが、人の手による選別と機械による糖度測定、等級分け、箱詰めを経て、大型トラックに積み込まれ、全国の市場へと旅立っていきます。

脚注

関連項目：下原スイカ

外部リンク

JA松本ハイランド 松本ハイランド農業協同組合

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