松本医科大学 (旧制)

松本医科大学の概要と沿革

松本医科大学（まつもといかだいがく）は、1948年に設立された官立の旧制医科大学です。大学の創立に先立ち、1944年には松本医学専門学校（通称：松本医専）が設立され、その後に旧制大学へと昇格しました。その歴史は戦前の設立にまで遡ります。

前身の歴史

松本医科大学のルーツは、1927年に設立された松本市立病院に関連しています。1929年には附属看護講習所が開設され、医療の基盤が築かれました。1942年には松本市が医学専門学校の設置を陳情し、約1年後には松本医学専門学校としての設立が閣議承認されました。当初は校舎が決まらず、松本高等学校や寺院などを借用しながら開校準備が進められました。

1944年4月1日、松本医学専門学校は正式に開校し、修業年限は4年と定められました。授業は松本高等学校の教室で行われ、家庭の不便さから市内の旧料理屋が臨時寄宿舎として利用されました。その後、様々な場所での講義が続き、1945年には松本市立病院が校附属医院として業務を開始しました。

松本医科大学の発足

1947年、松本医学専門学校は大学昇格が決定し、1948年には官立の松本医科大学として正式に設立されました。また、1949年には初回卒業生が誕生し、同窓会も発足しました。この時期には、新制信州大学医学部の設立も進行中であり、旧制医専と旧制医大は後にこの大学に包括されることとなります。

1951年には信州大学医学部医学科が正式に設置され、松本医科大学としての機能や役割は変わっていきました。医専附属医院は新たに信州大学医学部附属病院と改名され、教育と医療の両立を図ります。

1953年には附属病院の本館が火災によって焼失しましたが、その後、新たな校地への移転を進めました。1956年には旧制学位の審査権も取得し、1960年には松本医科大学としての歴史が幕を閉じることになりました。

校舎と附属病院の変遷

松本医専が設立された1944年当初は校舎が不確定でしたが、その後県立松本中学校に校舎が確保され、旧陸軍の跡地に移転したことで本格的な校舎が設置されました。この地は後に信州大学医学部に引き継がれました。

寓近くに位置していた松本市立病院は、新たに附属医院となり医療教育の中核を担いました。これにより、松本医科大学は医療人教育の重要な拠点となり、多くの医療専門家を輩出しました。

結論

松本医科大学は、旧制医学専門学校から成長を遂げ、現代の信州大学医学部の基盤を築いてきました。地域医療や医学教育に対する貢献は大きく、今後もその歴史は医療界において重要な位置を占め続けることでしょう。

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