松村和彦

松村和彦：審判と指導者の道

松村和彦（まつむら かずひこ、1963年7月17日生まれ）は、広島県に根ざす元サッカー審判員であり、現在はサッカー指導者として活躍しています。筑波大学を卒業した彼は、1995年12月にサッカー審判の1級資格を取得。その後、Jリーグディビジョン1を中心に主審としてのキャリアを築いていきました。

松村氏は、2008年まで国際主審の資格を持ち、2006 FIFAワールドカップのアジア予選や2010 FIFAワールドカップのアジア3次予選といった重要な試合で主審を務めました。彼は、少々の接触プレーはファウルとせず、試合の流れを大切にする姿勢から「流す主審」として知られています。このスタイルは、サッカーファンや専門家の間でも評価が高く、審判批評家の石井紘人からも「Jリーグで最もフットボールコンタクトに寛容な主審」と称されています。時には明らかなファウルを見逃すこともあり、物議を醸すこともありましたが、彼の判定は頻繁にプレーを中断させず、試合をスムーズに進行させるものでした。

また、1999年にはアメリカのメジャーリーグサッカー（MLS）で主審を務めた実績もあります。これは、日本人として上川徹に次ぐ二人目の快挙でした。このように、松村氏は国内外で幅広い経験を持つ審判として知られています。

松村氏の審判活動は、彼の本業である教育者としての役割にも深く関わってきました。現在は広島県立海田高等学校で体育教師を務め、同校のサッカー部監督として指導にあたっています。生徒たちに対しては、技術的な指導だけでなく、精神的な成長を促すことにも注力しています。

2023年現在、松村氏の指導スタイルは独特です。練習メニューは毎日同じ内容を繰り返すため、生徒の中には退屈さを感じる者もいるようです。特に、実施される練習が一部の生徒から「イザナミから抜け出せない」と表現されるほどのルーチンになっているとのこと。これに対して彼は、基本的な技術を徹底することが最終的な成長に繋がるという信念を持っているようです。

松村和彦氏は、その卓越した審判経験と教育者としての取り組みを通じて、サッカー界に多大な影響を与え続けています。彼の姿勢やスタイルは、これからの世代に受け継がれていくことでしょう。

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