松村真一郎

松村 真一郎

松村真一郎（まつむら しんいちろう、1880年1月2日 - 1963年6月2日）は、日本の農林官僚として知られる政治家であり、貴族院議員や参議院議員としても活躍しました。彼の経歴は農業政策の発展に大きく寄与しました。

経歴

京都府に生まれた松村は、1906年に東京帝国大学法科大学を首席で卒業し、農商務属に就任。彼は即座に農商務大臣秘書官として活動を開始しました。同年、高等文官試験に合格したことで、特許局の審査官を兼任し、農商務参事官にも就任。その後、急速に昇進し、農商務書記官や法制局参事官へと進んでいきました。

1910年には法制局の参事官となり、行政裁判所の評定官も兼任。1918年には法制局第一部長に就任し、日本の法制度に対する影響力を強化しました。その後、彼は農商務省に戻り、畜産や商務、水産など様々な局で要職を歴任しました。1929年には農林次官に就任し、農業政策の決定的な役割を担うことになります。

また、1921年にはワシントン会議に随員として参加。これが彼の国際的な視野を広げるうえでの重要な経験となりました。

1933年には貴族院議員に勅選され、その後の1947年に貴族院が廃止されるまでその地位にありました。議員としても、松村は日本競馬会幹事、日本米穀会社理事長や日本倉庫株式会社社長など多くの役職に就き、農林政策と経済の発展に貢献しました。

戦後の活動

戦後、松村は第1回参議院議員通常選挙に臨み、無事当選を果たします。中央競馬会長や全国農業共済協会長、さらには中央選挙管理委員会の委員長も任されるなど、その影響力はさらに広がりました。

栄典

松村は、その功績により以下の栄典を受けています。1930年には帝都復興記念章を授与され、1963年には勲一等瑞宝章を受章しました。この勲章はかつての勲二等からの昇叙を意味し、彼の業績が高く評価されていたことを示しています。

親族

松村の家系もまた影響力を持つ人物が多く、妻エミの父である山本達雄は日本銀行総裁や貴族院議員として知られ、さらに大蔵大臣や農商務大臣、内務大臣などを歴任しました。次男の山本達郎は東京大学の教授を務め、四男の松村敬一は経済企画事務次官の職にありました。これらの人々が持つ役割は、松村の影響力をさらに拡大させる要因となっています。

参考文献

松村真一郎の詳細な情報については、人事興信所編『人事興信録 第5版』や、『貴族院要覧（丙）』などの文献が参考になります。彼の業績を知ることができる資料は多く、歴史的な背景や影響力を理解するうえで非常に重要です。

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