松村貞雄

松村貞雄（1868年10月21日 - 1923年2月21日）は、日本の外交官として、明治から大正にかけて活躍しました。土佐藩士の二男として現在の高知県高知市に生まれ、外交官としての道を歩み始めました。

生い立ちと初期のキャリア

松村は、1886年に獨逸学協会学校でドイツ語とラテン語を学び、1891年には和仏法律学校（現在の法政大学）に入学、1894年に卒業しました。1897年に外交官及領事官試験に合格し、外務省に入省。上海領事官補として外交官としてのキャリアをスタートさせました。

外交官としての活躍

松村は、北清事変や日露戦争など、激動の時代においてその能力を発揮しました。特に漢口総領事時代には、辛亥革命の混乱の中で居留民の保護や各国領事との交渉に尽力しました。1913年にはブラジル公使館一等書記官兼初代サンパウロ総領事に任命され、約6年間ブラジルに在勤し、サンパウロにおける日本人移民社会の発展に大きく貢献しました。

シベリア出兵と晩年

シベリア出兵時には、軍司令官付外交官として樺太に駐在。その後、撤兵時にはウラジオストック総領事に任じられ、外交交渉にあたりました。しかし、シベリア出兵における外交交渉での過労が原因で、1923年2月21日に亡くなりました。

人物像

サンパウロ総領事としての松村は、現地の土地の購入や開拓に尽力し、日本人移民社会の発展に大きく貢献しました。ブラジルの古い移民たちは、松村の功績を称え、「歴代の総領事の中で松村以上の人物はいない」と語り継いでいます。その人柄は、多くの人々に尊敬され、その功績は今もなお語り継がれています。

栄典

松村貞雄の功績は、その生前にも高く評価され、以下の栄典を授与されています。

1916年（大正5年）4月10日 - 正五位
1921年（大正10年）7月1日 - 第一回国勢調査記念章

参考資料

松村貞雄の研究や業績については、以下の資料が参考になります。

『明治大正人物事典I』（日外アソシエーツ、2011）
『ブラジル百年にみる日本人の力』（モラロジー研究所、2008）
『法政大学史資料集 第18巻』（法政大学百年史編纂委員会資料部会）
サンパウロ人文科学研究所- 松村貞雄
* 文官高等試験合格者一覧　文官高等試験外交科（外交官及領事館試験） - ウェイバックマシン

松村貞雄は、激動の時代における外交官として、その職務に真摯に取り組み、国際社会における日本の地位向上に貢献しました。彼の生涯は、外交官としての責任と使命を体現しており、後世に大きな影響を与え続けています。

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