松橋拓二

松橋 拓二

1978年12月3日生まれ、北海道芦別市出身の日本の元プロボクサー。現役時代は帝拳ボクシングジムに所属し、入場曲には「必殺仕事人」のテーマを使用していた。

アマチュア時代の輝かしい実績

ボクシングは高校時代からその才能を開花させた。北海道恵庭南高等学校では、高校3年時にウェルター級で高校選抜、インターハイ、そして国体と、主要大会を全て制覇し高校三冠を達成しました。特筆すべきはその勝ち方で、高校時代の勝利は全てノックアウト（KO）またはレフェリーストップコンテスト（RSC）によるもので、圧倒的な攻撃力を見せつけました。

拓殖大学に進学してからも、その勢いは衰えませんでした。大学2年次には全日本選手権で優勝。同年にはアジア大会、翌年には世界選手権にも日本代表として出場するなど、国際経験も積みました。大学3年次の全日本選手権でも2年連続で決勝まで進出しましたが、この時は後にプロで同じ帝拳ジム所属となる日本大学の佐藤幸治氏に惜しくも敗れています。

プロキャリアの開始

大学を卒業後、名門・帝拳ボクシングジムの門を叩き、プロボクサーとしてのキャリアをスタートさせました。

2001年12月1日に行われたプロデビュー戦では、初回KO勝利という鮮烈な印象を残しました。その後も3連続KO勝利を収め、プロの世界でもその強打が通用することを証明します。しかし、2002年8月24日にはByung Chul Oh選手に2回KO負けを喫し、キャリア初の土がつきました。

再起とタイトル戦線

初黒星からの再起戦となった2003年6月21日の一戦では、再び初回KO勝利で力強くリングに戻ってきました。ここから再び勢いに乗り、なんと5連続KO勝利をマーク。その豪快なボクシングスタイルで注目を集めました。

2005年11月19日には、後のWBA世界スーパーウェルター級暫定王者となる石田順裕選手と対戦。この実力者との一戦は引き分けに終わり、自身の力量を示す機会となりました。

そして2006年8月5日、日本スーパーウェルター級王座への挑戦権をかけて、後の日本ミドル級王者となる野中悠樹選手と対戦。激しい攻防の末、判定で勝利を収め、ついに日本タイトルへの挑戦権を獲得しました。

不運な負傷と復帰への道のり

しかし、日本タイトル挑戦を目前に控えた大晦日の練習中に、アキレス腱を断裂するというアクシデントに見舞われました。この重傷により長期の欠場を余儀なくされ、選手生命の危機に直面し、引退も視野に入れたといいます。しかし、同じアキレス腱断裂という重傷を乗り越え、後にWBC世界王座を獲得した同門の先輩である西岡利晃氏からの励ましの電話を受け、再びリングに戻ることを決意しました。

約2年3ヶ月という長いブランクを経て、2009年3月27日に日本ランカーの田島秀哲選手を相手に復帰戦を行いました。復帰戦とは思えないほどの激しい試合となり、初回にダウンを奪われる苦しい立ち上がりとなりましたが、迎えた2回に逆転のKO勝利を収め、劇的な形でリングへの帰還を飾りました。

キャリア終盤と引退

復帰後、2009年7月2日には日本タイトル挑戦への登竜門である最強後楽園にエントリーし、準決勝で池田好治選手と対戦しました。この試合も序盤から激しい展開となり、松橋選手は3回にダウンを奪いましたが、相手が立ち上がるとすぐに右フックを浴びてダウンを奪い返されました。一度は立ち上がったものの、その後の連打を受けてレフェリーストップによるTKO負けとなりました。

その後、2010年4月3日に山本忍選手と対戦しましたが、2回に3度のダウンを喫しKO負け。この試合をもって、プロボクサーとしてのキャリアに終止符を打ち、現役を引退しました。

プロボクシングキャリアの通算戦績は15戦11勝（10KO）3敗1分。アマチュア時代から一貫してKOを量産する攻撃的なスタイルを貫き、ファンを沸かせました。

獲得タイトル（アマチュア）

第7回高校選抜ウェルター級優勝
平成8年度高校総体ウェルター級優勝
第51回国体少年の部ウェルター級優勝
第53回国体成年の部ウェルター級優勝
* 第68回全日本選手権ウェルター級優勝

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