松浦徹

松浦 徹

松浦 徹（まつうら とおる）氏は、1965年に誕生した日本の映像作家です。映画監督、テレビ番組のディレクター、脚本家、そして舞台の演出家として、その才能を多角的に発揮しています。

経歴と活動の歩み

1991年、松浦氏は大手芸能プロダクションであるホリプロに入社しました。当初はマネージメント業務に携わっていましたが、1996年からは演出家としての活動を開始します。キャリアの初期段階では、テレビドキュメンタリー番組の制作を中心に経験を積み、事実に基づいた物語や人物の深層を描く手腕を磨きました。

そして2006年、松浦氏は『ギミー・ヘブン』で劇場用長編映画監督として華々しいデビューを飾ります。この作品は、その独特の世界観が高く評価され、カナダで開催された第10回ファンタジア国際映画祭にも出品されました。この成功を皮切りに、映画監督としての道を本格的に歩み始めます。

映像の世界だけでなく、舞台芸術にも活躍の場を広げています。2009年には、『恋と革命』で初めて舞台演出を手がけ、ライブパフォーマンスならではの表現に挑戦しました。これにより、彼のクリエイティブな領域はさらに広がりました。

主な作品群

松浦氏がこれまでに手掛けた作品は、その媒体やジャンルが非常に多様です。

映画作品

監督・脚本として携わった作品には、初期の短編や中編から、評価を得た長編まで様々なタイトルがあります。

25mの向こう側（2001年）- 脚本・監督
蒼い夏（2003年）- 脚本・監督
ギミー・ヘブン（2006年）- 監督。劇場用長編映画デビュー作であり、第10回ファンタジア国際映画祭出品作品。
ともだち（2009年）- 監督
純愛風景（2009年）- 監督

舞台作品

演出家として、俳優やスタッフと共に空間を使った表現を追求しています。

恋と革命（2010年、赤坂レッドシアター）- 初の舞台演出作として話題となりました。
七日目にボクはキミと（2018年、新宿シアターモリエール）

テレビ番組

テレビの世界では、ドキュメンタリーを中心に、バラエティ特番や著名人の特集など、幅広いジャンルのディレクターとして手腕を発揮しています。

ワーズワースの冒険（1997年、フジテレビ）
FNS年末スペシャル フジテレビにしか出来ない20世紀の黄金バラエティ大全集!（2000年、フジテレビ）
MAX IN NY〜夢のNY初ライブ〜（2001年、テレビ朝日）
NONFIX『歴史教科書の夏』（2001年、フジテレビ）- ドキュメンタリーシリーズ
情熱大陸「教育学者・齊藤孝」（2002年、毎日放送）- 人気ドキュメンタリー番組
NONFIX『京都の恋〜2002年夏〜』（2002年、フジテレビ）- ドキュメンタリーシリーズ
『遥かなる氷河と太古の森と〜アラスカ・カナダ紀行〜』（2003年、フジテレビ）
friend after 3.11 vol.2 (2012年、BSスカパー) - 岩井俊二氏プロデュースのドキュメンタリー
小泉今日子 50歳 ニューヨーク（2016年、テレビ朝日）- 特定の人物に焦点を当てた番組

その他の映像作品

ミュージックビデオや各種DVD、イメージビデオなど、多岐にわたる映像コンテンツの制作にも携わっています。

武田真治、山口紗弥加、竹仲絵理といったアーティストのミュージックビデオを複数手掛けています。
ドキュメンタリー「廃墟」（2004年）や、プロゴルファー横峯さくら氏、アーティストNORISIAM-X氏、女優・タレント吉野紗香氏、俳優速水もこみち氏、サッカー選手中村俊輔氏のオフィシャルDVD/イメージビデオなども制作しています。

松浦徹氏は、テレビドキュメンタリーで培った観察眼と構成力を基盤に、映画、舞台、そして様々なメディアで映像表現の可能性を探求し続けている、日本のクリエイターです。彼の多様なキャリアは、映像・演劇界における確かな存在感を示しています。

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