ワーズワースの冒険

『ワーズワースの冒険』は、1994年4月3日から1997年3月23日までフジテレビ系列で放送された教養・情報番組です。全143回にわたり、大人の趣味や道楽をテーマに、知的好奇心を刺激する内容で人気を博しました。番組タイトルは、イギリスのロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースに由来します。

前身番組『ワーズワースの庭で』

『ワーズワースの冒険』の前身となったのは、1993年4月9日から1994年3月25日まで金曜深夜に放送された『ワーズワースの庭で』でした。こちらは45分の番組で、複数社提供による「知的趣味情報トーク番組」という位置づけでした。歌舞伎役者の坂東八十助さんとアナウンサーの河野景子さんが司会を務め、毎回異なるテーマ（紅茶、南仏プロバンス、居酒屋、銀座のバーなど）に沿ったゲストを招き、VTRを交えながらトークを繰り広げるスタイルでした。

番組のオープニングでは、竹中直人さん（または清水ミチコさん）がその日のテーマを紹介し、「ようこそワーズワースの庭へ」と視聴者を誘いました。エンディングでは、竹中さん（または清水さん）とゲストが次回のテーマについて語り合い、ニューヨーク在住の画家・藤田理麻さんが各回のテーマに合わせて描いた絵が紹介されました。1993年10月からは、坂東八十助さんに加え、渡辺満里奈さん、野々村真さん、作家の松山猛さんがレギュラー出演者として番組を盛り上げました。

『ワーズワースの冒険』へのリニューアル

1994年4月、『ワーズワースの庭で』は『ワーズワースの冒険』へと改題されました。「料理の鉄人」との放送枠交換により、日曜放送の30分番組となり、三菱電機の一社提供番組として新たなスタートを切りました。

番組形式は、ナレーションを中心に、各回のテーマをゲスト（案内人）が紹介するスタイルに変更されました。前番組のレギュラー陣が案内人として出演する回もありました。また、後に映画監督として活躍する源孝志さん、井上春生さん、片岡Kさんらが演出を手がけた回もありました。

多彩な出演者と番組を彩る要素

ナレーターは週替わりで、岡田眞澄さん、イッセー尾形さん、近藤サトさんなど、個性豊かな面々が担当しました。VTR出演者も豪華で、麻木久仁子さん、いしだ壱成さん、江口洋介さん、江角マキコさん、大塚寧々さん、鹿賀丈史さん、小堺一機さん、鈴木杏樹さん、鈴木保奈美さん、東山紀之さん、藤谷美和子さん、観月ありささん、宮沢りえさん、薬師丸ひろ子さんなど、当時の人気俳優やタレントが多数出演していました。

番組の主題歌は、河井英里さんが歌う「シャ・リオン」で、作曲は大島ミチルさんが担当しました。歌詞は、どこの国の言葉とも特定できないように作られた造語で、大島さんは自身のブログで、英語の詩を逆から読んで歌詞にしたことや、番組総集編ではウィリアム・ワーズワースの詩を逆さまから読んで歌詞にしたことを明かしています。

1997年3月23日をもって、『ワーズワースの冒険』は4年間の放送に幕を閉じましたが、その知的で洗練された番組内容は、多くの視聴者の記憶に残っています。

関連書籍

番組関連書籍として、以下のものが出版されています。
『ワーズワースの庭で』：松山猛＆フジテレビ「ワーズワースの庭で」著
『ワーズワースの冒険』：寺崎央＆フジテレビ「ワーズワースの冒険」著
* 『ワーズワース55の法則』：ワーズワース有閑倶楽部著

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