松浦誠信

松浦誠信：平戸藩を支えた中期の藩主

松浦誠信（まつら さねのぶ）は、江戸時代中期に肥前国平戸藩の第8代藩主として藩政を担いました。彼の生涯は、藩主としての責務、後継者問題、そして明治維新へと繋がる血統という、多岐にわたる側面を持っています。

生い立ちと藩主就任

誠信は、第6代藩主・松浦篤信の次男として生まれ、幼少の頃は吉松、数馬と名乗っていました。兄である有信が早世したため、享保13年（1728年）にその末期養子として家督を相続することになります。同年には第8代将軍・徳川吉宗に謁見し、同年12月には従五位下・肥前守に叙任されました。翌年には初めて領地である平戸へ入る許可を得ています。

藩政と後継者問題

藩主として、誠信は藩政の安定に尽力しました。しかし、後継者問題は彼の晩年を大きく左右します。長男の邦が早世した後、三男の政信を後継者と定めていましたが、その政信もまた誠信に先立って亡くなってしまいます。そのため、誠信は政信の子である清を新たな後継者とせざるを得ませんでした。

隠居とその後

安永4年（1775年）2月16日、誠信は隠居し、孫である清が第9代藩主として跡を継ぎました。隠居後の誠信は、安永8年（1779年）に68歳で病没しています。彼の血筋は、幕末、明治維新を経て、明治天皇へと繋がっていきます。

系譜

父：松浦篤信（1684年 - 1757年）
母：池内氏
養父：松浦有信（1710年 - 1728年） - 松浦篤信の長男
正室：宮川氏
三男：松浦政信（1735年 - 1771年）
生母不明の子女
長男：松浦邦（1732年 - 1757年）
五男：松浦保
女子：稲垣昭央正室
女子：永井尚俶正室
女子：木下利忠正室
女子：本多忠籌正室
女子：相良頼峯婚約者後に市橋長璉正室
女子：松浦信安室

松浦誠信は、激動の時代を生き、藩主として、また一人の人間として、様々な困難に立ち向かいました。彼の生涯は、江戸時代の藩政、家族関係、そして明治維新へと繋がる歴史の一端を垣間見せてくれます。

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