松浦邦男

松浦 邦男（まつうら くにお）は、1927年3月21日に大阪府で生まれ、2019年9月18日に京都市内の病院で肺炎により92歳で逝去した日本の著名な建築学者です。彼は、京都大学において名誉教授の地位にあり、工学博士として建築環境工学の分野で多大な貢献をしました。特に、照明環境に関する研究を深め、光環境における照度計算手法の発展に尽力しました。

松浦氏は、1952年に京都大学工学部建築学科を卒業し、その後大学院に進みました。1955年には京都大学の講師として教鞭を取り始め、1956年には助教授に昇進。1965年には教授に就任し、その後1990年に名誉教授の称号を授与されました。その後も摂南大学で教授の職を務め、1994年には宝塚造形芸術大学の教授として在籍し、2000年に退官しました。また、その過程で日本建築学会や照明学会において理事や副会長などの重要な役職を歴任しました。

松浦氏は、その業績が高く評価され、1995年には国際照明委員会（CIE）賞を受賞しました。この賞は、彼の照度計算方法の発展に対する功績を称えるものであり、彼の研究が国際的な評価を受ける一因となりました。さらに、2006年には「建築環境工学、特に光環境工学の研究・教育とその発展に対する貢献」に対して日本建築学会賞大賞を受賞しました。これらの栄誉は、松浦氏の研究者としての影響力を示すものであり、多くの後進の研究者や学生にも多大な影響を与えました。

松浦氏の業績を支えた著書には、『建築照明』（1971年、共立出版）、『照明の事典』（1980年、朝倉書店）、『建築環境工学Ⅰ -日照・光・音-』(2001年、共著、朝倉書店)などがあります。これらの著作は、建築環境や照明に関する重要な知識を伝えるものであり、多くの学生や専門家にとっての参考文献となっています。

松浦 邦男の業績と影響は、市場において建築環境工学や照明が進化する中で、彼の研究がいかに重要かを教えてくれます。彼は、後世にわたって建築の環境デザインの理解を深める礎を築きました。松浦氏の貢献は、単に学問の領域にとどまらず、私たちの日常生活の質を向上させる光環境の形成にも寄与しているのです。彼の業績は、建築学の発展に大きな影響をもたらし、今後の研究活動における道しるべとして位置づけられることでしょう。

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