松竹芸能

松竹芸能株式会社

松竹芸能株式会社（しょうちくげいのう）は、大阪府大阪市中央区北久宝寺町に本社を置く、上方演芸界の二大プロダクションの一つです。この事務所は、松竹グループの連結子会社であり、吉本興業と共に日本のエンターテインメント業界において重要な役割を果たしています。

沿革

松竹芸能の歴史は1958年に遡ります。その年の11月1日、大阪歌舞伎座の地下に存在した歌舞伎地下演芸場で両社が合併し、「株式会社松竹新演芸」が設立されました。この始まりから、松竹は道頓堀角座や神戸松竹座といった重要な舞台での芸人の配給を通じて、その名を広めました。

1962年には名称を「松竹芸能株式会社」と改称し、経営資源を強化しつつ更なる成長を目指しました。特に漫才ブームが到来した1980年代、吉本興業と対等な立場を築く一方、競争も激化しました。その後、1984年の角座閉鎖や、1998年の大規模なリストラを経て、2002年には新たな興行の場「ミナミのど真ん中ホール」を開設しました。

若手芸人が集うこのホールでは、日替わりのライブイベントや、お昼に寄席を行うなど、斬新な試みがなされ、多くの若手芸人たちに成長の場を提供しました。特に、2004年に開設された「ライブスペースB1角座」では、芸人自身が劇場を運営する権限を持つようになり、より自由度の高いイベント開催が可能になりました。

テレビ制作とタレント養成

松竹芸能は、演芸だけに留まらず、テレビドラマやバラエティ番組など幅広いジャンルでの制作にも力を入れています。特に、ジャニーズ事務所の関西公演の勧進元となっていたこともあり、多岐にわたる人材を抱えています。1968年に設立されたタレント養成所は、即戦力となる新人を発掘・育成することを目的とし、以来多くの人気タレントを輩出しています。

コンプライアンスと企業倫理

松竹芸能は、企業倫理とコンプライアンスを重視し、所属芸人やタレント、社員に対する厳格な管理体制を敷いています。多くの契約解除があった過去の事例も相まって、社内での批判や自虐ネタは禁止されており、迅速な対応がなされてきました。しかし、最近では経営者の交代を経て、業界内の風潮が少しずつ変わりつつあります。

労働問題と吉本興業との関係

松竹芸能は、業界内での労働問題も抱えていおり、過去には「名ばかり役員」として解任された元役員たちが不当解雇を主張したケースもあります。また、松竹と吉本興業の関係は歴史的に非常に厳しいものであり、競争と共闘の歴史を経て、今では共演が増えてきています。特に、エンターテイメント界全体の協力が進む中で、両社のタレントが同じ舞台に立つ機会も多く見られるようになりました。

現在と未来

現在の松竹芸能は、東京にも支社を持ち、新たな常設劇場「DAIHATSU 心斎橋角座」を開設するなど、多角経営を続けています。国際的なブームを受けて、若手芸人やタレントの新たな才能を引き続き輩出し、今後も日本のエンターテインメントシーンに貢献し続けることを目指しています。これからも松竹芸能は、その豊かな歴史と伝統を基に、新たな芸能文化を作り出していくでしょう。

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