板倉重宣

板倉重宣 - 江戸時代前期の大名

板倉 重宣（いたくら しげのぶ）は、江戸時代前期において上総高滝藩の初代藩主として知られる大名です。彼は庭瀬板倉家の祖でもあり、その生涯は家督争いや権力の変遷に彩られています。

生い立ちと背景

重宣は寛文4年（1664年）、三河中島藩主の板倉重矩の長男として誕生しました。重矩は当初、重宣の父である重良の後継ぎとされていました。しかし、寛文12年（1672年）に重良が病気で廃嫡され、その後家督は叔父の重種に引き継がれました。重宣は重種のもとで育てられ、彼自身も重種の世子としての立場を与えられることになりました。

武士としての道

延宝6年（1678年）、重宣は従五位下越中守に叙位・任官されることとなりました。この時点での彼は、家の中で次期藩主としての地位に期待されていました。しかし、重種が延宝9年（1681年）に武蔵岩槻藩への移封と共に、自らの息子である重寛を世子に選ぶと、重宣は再び運命を翻弄されます。これに対して、重宣とその母は不満を抱き、重種との対立が生じました。

家督争いと政治的影響

重宣の母は実家が備中岡山藩主池田光政の姪であったため、彼女は光政に掴まって窮状を訴えました。これが幕府に届けられ、板倉家の内部での問題はより大きな波紋を引き起こしました。重種はこの家督争いの影響を受け、ついには老中を罷免され、天和2年（1682年）には信濃坂木藩への減移封を命じられる事態に至ります。

大名としての短い在任期間

重種は天和3年（1683年）5月に隠居し、家督は重寛と重宣にそれぞれ分割されることとなりました。この結果、重宣は上総高滝藩の初代藩主としての地位を得たものの、わずか1年後の貞享元年（1684年）8月21日に21歳という若さでその生涯を閉じてしまいます。重宣は短命であったものの、その影響は家族の間で長く記憶されました。

まとめ

板倉重宣の生涯は、権力争いや家族の絆を反映しており、江戸時代における大名家の事情を知る上で重要な一例と言えるでしょう。彼の跡を継いだ養子の重高が新たな時代を迎える中で、重宣の苦悩と栄光は歴史の一部として語り継がれています。

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