板屋川 (岐阜県)

板屋川について

板屋川（いたやがわ）は、木曽川水系に属する一級河川で、岐阜県岐阜市と本巣市を流れています。この川は、伊自良川と長良川を経由して、最終的に伊勢湾へと注ぎ込む木曽川の三次支川の一つです。

地理的特徴

板屋川の源流は岐阜県岐阜市北西部の雛倉地区に位置しています。川は岐阜市と本巣市の境界を南流し、岐阜市下西郷で流れの方向を南東に変えると、再び岐阜市木田の板屋大橋付近で南へ向きを変え、次第に南西方向へと流れます。岐阜市下尻毛の地点で伊自良川と合流し、さらにその流域の水量を増すことになります。

長い歴史の中で、板屋川は大雨が降るたびに氾濫を繰り返してきました。特に、伊自良川との合流点周辺では度々の水害が発生し、地域住民は水害対策の一環として、古くから輪中を築くなどしてきました。さらに、大正から昭和にかけては国による「鳥羽川・伊自良川・板屋川改修工事」が行われましたが、近年になっても水害の懸念は消えません。特に1976年（昭和51年）の台風17号による被害は甚大で、多くの人々が影響を受けました。

ホタルの保全活動

板屋川流域においてはかつて、多くのゲンジボタルが生息していましたが、昭和40年代には農薬の影響で数が激減しました。しかし、農薬の改良と地域住民の努力によって、昭和50年代後半には再び多くのホタルが現れるようになりました。1988年からは、岐阜市西郷地区の八王子神社近くで毎年6月初旬に「ホタルまつり」が開催されるようになり、多くの人々がホタルの観賞を楽しむ機会を得ています。

さらに、1989年（平成元年）には、ゲンジボタルの保全に関する活動が評価され、環境庁から「岐阜市西郷板屋川ホタルの里」として「ふるさといきものの里100選」に認定されました。しかし1993年頃からは再びホタルの姿を見かけることが少なくなり、地域コミュニティはその保全活動を続けています。

主な橋

板屋川にはいくつかの重要な橋があり、その中でも有名なのは以下の通りです：

• - 板屋大橋
• - 東板谷橋
• - 下鵜飼橋
• - 下西郷橋
• - 西浦橋

これらの橋は、地域住民の生活や交通において重要な役割を果たしています。

結論

板屋川は、その自然環境と地域の歴史に根ざした重要な存在であり、住民による水害対策や生物保護の取り組みが行われています。ホタルの観賞を通して地域のつながりも深まっており、今後の保全活動に期待が寄せられています。

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