鳥羽川

鳥羽川の概要

鳥羽川（とばがわ）は、岐阜県の山県市及び岐阜市を流れる木曽川水系の一級河川です。この河川は、伊自良川や長良川を経由して伊勢湾に至る木曽川の3次支川の一つに位置しています。現在、河川名は『鳥羽川』に統一されていますが、過去には『戸羽川』として知られていた時期もあり、岐阜市岩崎にあるバス停名はその名残です。この川の下流は鳥羽川と呼ばれる一方で、その上流部分は『大桑川（おおががわ）』と称されています。

地理的特徴

鳥羽川の水源は岐阜県山県市の平井坂峠周辺にあり、流域には新川、石田川、末洞川、天神川など多くの支流が存在します。岐阜市正木近くで伊自良川と合流します。この流れは、その土地の農業や生態系に深い影響を与えており、自然環境と人間活動が密接に関連しています。

歴史的背景

1891年に発生した濃尾地震により、梅原断層の北西側で約2メートルの地盤沈下が発生し、200万立方メートルの天然ダムが形成されました。この結果、この地域は肥沃な水田地帯として機能していましたが、翌1892年には天然ダムの解消作業が開始されました。この工事では、上流から人工土手を築き、トンネルを設けることで、流れを調整し水田を復元しました。

しかし、蛇行する川の特性が災害を引き起こしやすく、大雨による氾濫は頻繁に発生しました。特に、1976年の台風17号は大規模な浸水災害を引き起こし、約6500戸が床上浸水、さらに10000戸以上が床下浸水の被害を受け、経済的損失は382億円にも及びました。

治水対策

1973年度から鳥羽川の改修事業が開始され、川幅拡幅や河床掘削が行われました。2004年度には鳥羽川と新川の間に存在する中堤を撤去し、2013年度には流下能力を改善するためにサイホンの解消作業が行われました。これにより、鳥羽川の流れがスムーズになり、更なる治水対策が進められました。

2019年度にはこれらの事業が完了し、鳥羽川と新川の合流部から下流1600メートルの名称が新川から鳥羽川に変更されました。また、岐阜市下土居では河川改修によって広くなった河川敷に、鳥羽川緑地が整備されています。

国道256号にも様々な橋が架かっており、交通の要所としての役割も果たしています。

まとめ

鳥羽川は、その流域の自然環境を形成する重要な要素であり、歴史的な背景からも多くの人々に影響を与えてきました。治水対策の進展により、今後はさらに安全で安心な環境が整備されていくでしょう。これからも、地域住民の生活や文化に密接に関わっていくことで、鳥羽川は更なる存在意義を持ち続けていくことでしょう。

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