板谷謹悟

板谷 謹悟（いたや きんご）について

板谷 謹悟は1949年4月5日に北海道で生まれた日本の著名な化学者です。彼は専門分野として電気化学を持ち、大学においては東北大学の名誉教授であり、工学部客員教授としても活動しています。また、熊本大学でも非常勤の客員教授としてその知識を披露しています。

職業歴

板谷氏の学歴は東北大学の工学部応用化学科から始まり、1972年に卒業しました。その後、大学院に進み、1974年には修士課程を修了、1977年には博士課程をも修了し、電気通信研究所に助手として就職しました。その後、同年の4月からは東北工業大学の非常勤講師としても活動を開始しました。

1979年にはアメリカのテキサス州立大学で博士研究員としての道を進み、その後も電気通信研究所、化学工学科の助手を経て、1984年に助教授、その後は1991年に教授に昇進します。2007年からは原子分子材料科学高等研究機構で主任研究員としての役割を担い、2012年に定年退職を果たしています。

研究業績

板谷氏が特に注目されたのは、電気化学走査トンネル顕微鏡（STM）を世界で初めて開発したことであり、この技術は電気化学の分野に多大な影響を与えました。彼の研究においては、固液界面の特性を解明することに焦点を当て、1992年から1997年までの間は「板谷固液界面プロジェクト」の責任を果たしました。また、2002年から2008年にかけては、固液界面に関するアトムプロセスの解明を目的とした研究を牽引しました。

更に、2008年から2011年にかけては、新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託研究を受け、ナノテクノロジーに基づく有機半導体結晶の製造法とその応用に関する研究開発責任者として広く評価されています。

受賞歴

彼の研究成果は多くの賞に認められています。1983年には日本化学会から進歩賞を受賞し、1993年には学術賞、1996年には市村学術賞を受けました。同年には仁科記念賞も受賞し、2005年には日本化学会賞、2008年には加藤記念賞を授与されました。これらの賞は彼の業績の一端を示すものであり、極めて幅広い分野での貢献を邁進してきたことを物語っています。

栄典

加えて、板谷氏は2003年に紫綬褒章、2021年には瑞宝中綬章を受け取るなど、その業績は国からも厚く評価されています。これらの栄誉は、彼の長年にわたる研究活動や教育における功績を反映しています。

板谷謹悟は、今もなお研究と教育の両分野において、その専門知識と経験を生かした活動を続けており、次世代の科学者たちにも大きな影響を与えています。

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