板野陽

板野陽は、1993年2月2日に岡山県で生まれた日本の女子ハンドボール選手である。ゴールキーパーとして、日本ハンドボールリーグ（JHL）のイズミメイプルレッズに所属し、長年にわたりチームの守護神として活躍している。年代別日本代表からトップカテゴリーの「おりひめJAPAN」に至るまで、各カテゴリーで国際舞台も経験してきた実力者だ。

大学時代

彼女のキャリアの土台は、大阪教育大学時代に築かれた。大学4年次にあたる2015年には、チームが全日本学生ハンドボール選手権大会で準優勝という輝かしい成績を収めるのに大きく貢献。この時の活躍は高く評価され、特別賞を受賞している。学生トップレベルでの経験は、その後のプロキャリアへと繋がる重要なステップとなった。

日本ハンドボールリーグ (JHL) での歩み

大学卒業後の2015年、板野は日本ハンドボールリーグに所属する広島メイプルレッズ（当時）に加入した。チームのゴールを守る重要なポジションを任され、背番号「12」を背負うことになった。加入初年度となる2015-16年シーズンは12試合に出場。さらに、同年には「第40回日本ハンドボールリーグ開催記念 JHLファン投票」の女子の部で1位に選ばれるなど、その人気と期待の高さを示した。

翌2016-17年シーズンには、ゴールキーパーとしての才能が開花。リーグで最も多い281本のシュートを阻止し、阻止率も.461とリーグ2位の好成績を残した。この圧倒的なパフォーマンスは、彼女がリーグ屈指のゴールキーパーであることを証明した。その後も、2017-18年シーズンには7mスロー阻止率賞を受賞し、相手チームのチャンスを阻む重要な局面での強さを見せつけた。2018-19年シーズンには、リーグのシーズンベストプレイヤーに贈られるベストセブン賞に初めて選出されるなど、JHLにおいて確固たる地位を確立していった。所属チームは後にイズミメイプルレッズと名称変更されたが、板野は引き続きチームの中心選手としてプレーを続けている。

日本代表としての活動

板野陽の活躍は国内リーグに留まらず、日本代表としても多岐にわたるキャリアを積んでいる。若い頃から年代別代表に選ばれており、U-18日本代表として2010年のユース世界選手権、U-20日本代表として2011年のジュニアアジア選手権と2012年のジュニア世界選手権、U-22日本代表として2014年のU-22東アジア選手権に出場した経験を持つ。また、U-24日本代表として2014年と2016年の世界学生選手権にも参加し、国際経験を積み重ねてきた。

そして2017年7月29日に行われた日韓定期戦で、ついにハンドボール女子日本代表「おりひめJAPAN」に初選出された。同年12月には、ドイツで開催された第23回女子世界選手権の日本代表メンバー入りを果たし、世界の舞台でプレーする機会を得た。その後も、2018年のアジア選手権やアジア競技大会など主要な国際大会に継続的に出場。ジャパンカップや日韓定期戦、欧州遠征といった様々な機会を通じて、日本代表の強化に貢献している。これらの代表経験は、彼女自身の成長はもちろん、日本の女子ハンドボール界全体のレベルアップにも繋がっている。

豊富な国際経験とJHLでの実績を持つ板野陽は、日本の女子ハンドボール界を代表するゴールキーパーの一人である。その高い阻止能力と安定したパフォーマンスで、これからもチームの勝利に貢献し続けるだろう。

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