林学

林学（林業学）

概要

林学は、森林と林業に関する技術や経済政策を研究する学問分野です。この分野は、造林学、林政学、森林計画学、治山学、森林利用学、林産科学、森林計測学など様々な分野に細分化されています。大学や大学院では、一般的に農学部内の専攻として「森林科学科」などが設けられています。

元々、林学は資源としての森林を中心に研究が進められていましたが、近年では環境問題への関心が高まり、これらも重要な研究テーマとなっています。林学の研究アプローチは、林業政策や経営に焦点を当てた政治学的・経済学的アプローチ、木材資源としての研究に基づく工学的アプローチ、森林を生態系として理解しようとする生態学的アプローチに大別されます。

林学教育の歴史

林学の起源は、ドイツにさかのぼり、1763年に始まったマイスタースクール（親方学校）にあります。この学校では、学生が親方のもとで実務を学びながら技術を習得しました。特に、コッタとハルティッヒという二人の権威が教える親方学校は、その後の林業技術者養成に大きな影響を与えました。これにより、ドイツの林業技術者は他国においてもその技術を評価され、信頼を得るようになりました。

その後、林学教育は大学の中に位置する林学校へと展開し、オーストリアのマリアブルン高校や、スイスのチューリッヒ工科大学などが設立されました。アメリカでも1898年にコーネル[[大学]]で最初の林学校が創設され、その後、イエール[[大学]]にも林学の大学院が設けられました。これらの発展は、林学教育が大学教育の一部として確立される道を開きました。

日本における林学教育

日本においては、林学教育の始まりを江戸時代に遡るのは難しいですが、明治時代に国全体の教育政策が見直される中で松野礀がドイツに渡り、エーベルスワルデ山林学校で学ぶことで、林学教育の歴史が始まりました。彼は帰国後、日本における林業教育の礎を築きました。

明治15年には東京山林学校が設立され、これは日本における最初の林学の高等教育機関でした。教育内容や方法は、彼が学んだドイツの山林学校に類似していましたが、外国語の使用を避けることができる点で、当時の教育方法には革新がありました。

東京山林学校は、その後、駒場農学校と合併し、さらに帝国大学の農科大学としても発展しました。このように、日本における林学教育は、農学と同様に成長を続けており、今日においても森や自然との共存と環境保護を志向した研究が行われています。

現在の林学教育は、多様な専門分野に分かれ、環境への配慮や持続可能な林業の実現に向けた教育を行っています。こうした学問の発展が、今後の森林環境の保全や持続可能性に寄与することが期待されています。

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