林家三平 (初代)

初代 林家三平について

初代林家三平（はやしやさんぺい、1925年11月30日 - 1980年9月20日）は、昭和を代表する落語家であり、落語協会の理事も務めました。彼は東京都台東区の根岸に生まれ、通称は根岸。彼の出囃子は『祭囃子』であり、落語界では独特の地位を確立しました。

生い立ちと初期のキャリア

三平は、七代目柳家小三治（後の七代目林家正蔵）の長男として生を受け、本名は海老名榮三郎でした。旧制明治中学を卒業後、彼は明治大学商学部に進学しましたが、1945年に徴兵され、戦争を経験しました。戦後、本名を海老名泰一郎に改名し、落語家としてのキャリアをスタートさせました。最初の舞台は浅草松竹演芸場での通行人役でしたが、1946年に父親の元で落語の修行を始め、芸名を林家三平としました。

成長と成功

彼は1958年に初の真打に昇進し、その後はテレビに多数出演することでその名を一躍全国に広めました。特に『笑点』などの番組への出場が多く、彼のスタイルは落語界に新しい風を吹き込み、多くのファンを魅了しました。三平の落語は、古典的な要素を持ちながらも、現代的な風刺やユーモアを融合させたスタイルでした。

芸風と活動

三平の落語は訪れる客を笑わせることを主眼に置いており、彼の持ちネタは時事ネタを多く取り入れたもので、特に「どうもすいません」のフレーズが有名でした。このギャグは偶然から生まれたと言われ、お客に大いに受けたエピソードも残されています。彼の演じるギャグは、観客に参加を促すスタイルで、会場全体を盛り上げるものでした。

私生活と家族

彼の人生は一見華やかに見えましたが、私生活では波風も多かったようです。初めは自らの収入を家に入れず、妻の香葉子が内職をしなければならない時期もあったと言われています。また、息子たちも落語家となり、今に受け継がれている彼の遺産は、落語界の発展に寄与しています。

最晩年と死

三平は晩年に体調を崩し、1980年に肝臓がんで亡くなりました。彼の死に際しても、落語界には多くの追悼の声が寄せられました。彼の影響力は今なお続き、弟子たちや孫弟子に多くの名人が育っています。三平のスタイルは、落語界において一つの流派を形成し、現在も多くの落語家に影響を与え続けています。

まとめ

初代林家三平は、落語界において「爆笑王」と称され、数々の名演を残した名人です。彼の生涯は、落語文化の深化と発展の象徴であり、彼の芸風は今なお語り継がれています。彼の遺した味わい深いギャグと独自のスタイルは、落語を愛する人々の心に生き続けることでしょう。

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