東洋太平洋ボクシング連盟

東洋太平洋ボクシング連盟（OPBF）

東洋太平洋ボクシング連盟（OPBF）は、アジアとオセアニアを主な地域とするボクシング団体であり、世界ボクシング評議会（WBC）の傘下に位置しています。この組織の本部は加盟国によって持ち回りで運営されており、2018年からは日本に所在しています。

歴史的背景

この連盟は1952年に、日本、フィリピン、タイなどの国々が中心となり、東洋ボクシング連盟（OBF）として設立されました。設立当初の本部はフィリピンにあり、マヌエル・ニエトが初代会長に就任しました。なお、現在のOPBFは戦前のOBFとは直接の関係がありません。

1963年には WBC の設立にも参加し、1977年11月にはオーストラリアとニュージーランドの加盟が承認され、 East Asia Pacific Boxing Federation（OPBF）という名称に変更されました。

2008年11月には中国の成都で開催されたWBC年次総会において、本部をオーストラリアから日本に移転することが決定されました。しかし、その後2015年には再びOPBF本部がフィリピンに移され、2017年10月には2018年以降の再移動が決定され、現在は日本に拠点を置いています。

女性部門の導入

OPBFでは2009年に新たに女子部門を設ける決定がなされ、アトム級からウェルター級までの11階級で女子選手がランキングされるようになりました。この年の1月からは女子ボクシングが本格的に競技として認知され、スージー・ラマダン対ミッシェル・プレストンの試合がOPBF初の女子王座決定戦として認定されました。最初は10回戦が基本とされていましたが、参加選手が少なかったため、2011年に開催された総会において2012年からは8回戦に短縮されました。

日本国内では、女子ボクサーがまずこのOPBFでランキング入りを果たし、その後に国内ランキングの創設が行われたのは2017年からです。2016年以降は、スーパーフェザー級以上の階級を除き、ほぼ全ての女子王座が日本の選手によって占められています。

シルバー王座の創設

2016年3月にフィリピンでの会議中に、シルバー王座が創設されることが発表されました。最初は「暫定王座」として設立される意向が見られましたが、日本ボクシングコミッション（JBC）からの反対意見を受けて、最終的にはWBC同様に「シルバー王座」として正式に導入されました。シルバー王座が設立されてから運用ルールは2018年に明確になり、選手たちの戦いの場が広がりました。

このシルバー王座の設立により、OPBFのタイトル戦の開催国は多様化し、日本で行われる試合が減少傾向にあります。

ナショナル王座の導入

2018年11月には、国内に公式なボクシングコミッションのない国々に向けて「OPBFナショナル王座」の創設が発表されました。これに基づき、12月9日にはベトナムで初めてのOPBFナショナル王座決定戦が開催され、ダオ・グエン・アイン・トゥアンがOPBFベトナムスーパーライト級王者となりました。

このように、OPBFはボクシングの普及と発展を目指し、多様なプログラムを展開しており、特にアジアおよびオセアニア地域でのボクシングシーンにおける重要な役割を果たしています。今後もさらなる発展が期待されます。

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