林田神社 (花蓮港庁)

林田神社の歴史

林田神社は、日本統治時代の台湾、現在の花蓮県鳳林鎮に存在した神社です。この神社は、当時の日本人移民の心の拠り所として建立されました。その歴史は、日本の台湾統治時代から、戦後の変遷、そして近年の一部復元まで、多くの出来事を経ています。

日本統治時代

1913年（大正2年）、日本政府は花蓮県鳳林鎮に日本人移民村として林田村を設立しました。翌1914年（大正3年）、移民たちは心のよりどころを求めて、笠井寛二、酒井亀太郎、清平福平の3人が台湾総督の佐久間左馬太に神社建立の申請書を提出しました。この申請が認められ、1915年（大正4年）に着工が開始され、同年6月6日に鎮座式が執り行われました。例大祭は毎年10月6日に行われていました。

しかし、太平洋戦争が開戦すると、1945年（昭和20年）には花蓮市を含む花蓮港庁一帯がアメリカ軍の空襲を受け、林田神社も社務所が焼失する被害を受けました。

戦後

1945年の日本の敗戦に伴い、日本人住民が引き揚げた後、林田神社の建物は「鳳林区忠烈祠」として改修されました。ここでは、清朝末期の黄花崗起義で戦死した72名の烈士が神道の神に代わって祀られるようになりました。毎年3月29日の「青年節」には、鳳林鎮の学校関係者が記念大会に集まり、教師の先導で忠烈祠を参拝する習慣がありました。参拝時には、まず手水鉢で手を洗い、拝殿前に整列し、教師が革命戦士に敬意を表していました。

1972年（民国61年）には、日本の田中角栄首相が中国との国交を回復し、中華民国の台湾は日本との国交断絶を余儀なくされました。その後の1974年（民国63年）2月25日、台湾内務省は「日本統治時代の日本帝国主義による記念遺跡」として、台湾各地の神社の撤去を指示しました。これにより、林田神社を含む多くの神社遺構が破壊されました。

近年の動き

2014年、鳳林鎮公所は環境保護署の「環保示範区計画」に基づき、元の設計図を参考に鳥居と石灯籠を参道に設置しました。ただし、石灯籠の柱部分は設計図の誤解から正方形ではなく円形となっています。また、本来の一の鳥居の位置は現在の復興路にあたるため、位置を移動して再設置されました。2016年9月6日には、神社の「玉垣」と「神社拝殿および本殿基壇」が「林田神社残蹟」として花蓮県の歴史的建造物に指定されました。

神職

林田神社には、以下の神職が奉仕していました。

小松兼太郎：1930年（昭和5年）
立川虎之助：1931年（昭和6年）から1945年（昭和20年）

ギャラリー

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これらの写真は、林田神社の歴史と変遷を物語る貴重な資料となっています。

参考文献

（参考文献リスト）

関連項目

台湾の神社
吉野神社
豊田神社

林田神社の歴史は、台湾における日本統治時代の歴史と、その後の変遷を象徴するものであり、その存在は歴史を学ぶ上で重要な意味を持っています。

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