花蓮港庁

花蓮港庁：日本統治時代の台湾における地方行政区分

花蓮港庁（かれんこうちょう）は、日本統治下の台湾に置かれた五州三庁の一つで、現在の花蓮県にあたります。1945年まで存在し、この地域における行政、経済、社会の基盤を形成しました。

人口構成

1941年の台湾常住戸口統計によると、花蓮港庁の総人口は15万3785人でした。内訳は以下の通りです。

内地人（日本人）：2万914人
台湾人：13万720人
朝鮮人：119人
その他：2032人

この統計から、当時の花蓮港庁における台湾人が圧倒的に多数を占めていたことがわかります。また、内地人や朝鮮人、その他の人々も生活していたことが示されています。

行政区分

1945年当時、花蓮港庁は以下の行政区分に分けられていました。

市：花蓮港市
郡・街庄：花蓮郡、鳳林郡、玉里郡

これらの区分に基づいて、行政運営が行われていました。

花蓮港庁長

花蓮港庁の長は、以下の人々が歴任しました。

石橋亨：1909年10月25日-1911年12月4日
中田直温：1911年12月4日-1913年11月3日
飯田章：1913年11月3日-1919年5月21日
宇野英種：1919年5月21日-1920年9月1日
江口良三郎：1920年9月1日-1926年12月25日
中田秀造：1926年12月25日-1929年9月13日
猪股松之助：1929年9月13日-1931年9月11日
浅野安吉：1931年9月11日-1932年3月15日
今井昌治：1932年3月15日-1933年8月9日
森万吉：1933年8月9日-1934年10月
政所重三郎：1934年10月-1935年9月2日
藤村寛太：1935年9月2日-1938年10月11日
高原逸人：1938年10月11日-1941年3月7日
広谷致員：1941年3月7日-1942年3月29日
稲田穣：1942年3月29日-1943年12月1日
慶谷隆夫：1943年12月1日-1944年12月17日
加藤重喜：1944年12月17日-1945年8月15日

これらの庁長たちが、花蓮港庁の行政を担っていました。

医療

花蓮港庁には、以下の医療機関が設置されていました。

台湾総督府鉄道局台北鉄道病院花蓮港分院
台湾総督府花蓮港病院
台湾総督府花蓮港病院玉里分院

これらの病院は、地域の住民の健康を支える重要な役割を果たしていました。

法院（裁判所）

花蓮港庁には、台北地方法院花蓮港支部が設置されていました。これにより、司法サービスが提供されていました。

警察

1945年当時、花蓮港庁には以下の警察組織がありました。

花蓮港庁警務課
花蓮港警察署
花蓮郡警察課
鳳林郡警察課
玉里郡警察課

これらの警察組織が、地域の治安維持に努めていました。

専売局

花蓮港庁には、専売局の花蓮港支局と花蓮港酒工場がありました。これらの施設は、特定の物資の専売制度を管理していました。

気象

1942年当時、花蓮港測候所が設置されており、気象観測を行っていました。

教育

花蓮港庁には、以下の中等教育学校が設置されていました。

花蓮港庁立花蓮港中学校
花蓮港庁立花蓮港高等女学校
花蓮港庁立花蓮港工業学校
花蓮港庁立花蓮港農林学校

これらの学校は、地域の人材育成に重要な役割を果たしていました。

鉄道

1944年当時、総督府鉄道の台東線が花蓮港庁内を通っていました。この路線は、地域の交通と物流を支える重要なインフラでした。

道路

1939年当時、以下の指定道路が整備されていました。

花蓮港台東道
上大和台東道
富里都蘭道
瑞穂落合道
花蓮港初音道
初音寿道
蘇澳花蓮港道

これらの道路は、地域間の交通を円滑にするために不可欠でした。

港湾

1938年当時、主要地方港として花蓮港が利用されていました。花蓮港は、地域の経済活動にとって重要な役割を果たしていました。

神社

花蓮港庁には、以下の神社が建立されていました。

花蓮港神社
吉野神社
豊田神社
林田神社
佐久間神社

これらの神社は、当時の人々の信仰の場でした。

国立公園

花蓮港庁内には、次高タロコ国立公園と新高阿里山国立公園の一部が含まれていました。

企業

1932年当時、花蓮港庁内には、資本金50万円以上の以下の企業が存在していました。

製造業：花蓮港木材
電気業：花蓮港電気

これらの企業は、地域の産業を支える役割を果たしていました。

マスメディア

1945年8月当時、台湾放送協会の花蓮港放送局（呼出符号JFEK）がありました。また、1932年には日本語新聞として東台湾新報が発行されていました。

関連項目

台湾総督府
日本統治時代の台湾行政区分
台湾の行政区分
* 花蓮県

花蓮港庁は、日本統治時代の台湾において、独自の歴史と文化を形成した地域でした。この庁の詳細な情報は、当時の台湾を知る上で非常に重要な資料となります。

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