林田賢太

林田 賢太（はやしだ けんた）

日本の脚本家、そして映画監督。1976年（昭和51年）4月22日、大阪府吹田市に生まれた。映画製作への情熱は早くから芽生え、高校時代には既に自主制作映画に打ち込んでいた。19歳で日本映画学校（現在の日本映画大学）シナリオコースへ進学し、映画づくりの基礎と理論を深く学んだ。

同校では、脚本家の加藤正人氏や我妻正義氏らから指導を受け、後の映画界で活躍する多くの才能と出会う。同期には、映画監督の李相日氏、草野陽花氏、松江哲明氏らがおり、互いに刺激し合いながら学生時代を過ごした。学校卒業後、さらなる研鑽を積むため、脚本家の池端俊策氏に師事した。

林田氏の才能は学生時代から注目を集めていた。在学中に大阪のプラネットステーションで撮影した自主映画『サマージャンボ』は、第3回インディーズムービーフェスティバルで4位に入賞。さらに、学校の実習として制作した自主映画『東京フリーマーケット』は、翌年の第4回インディーズムービーフェスティバルにて見事グランプリを獲得した。これらの功績が認められ、同映画祭からの援助監督スカラシップを獲得。この奨学金を得て、自身初の長編商業映画となる『ブリュレ』の企画、脚本執筆、そして監督を務める機会を得た。また、映画制作会社であるシネバイタルパートナーズの代表としても活動を展開した。

そのキャリアは順調に進んでいるかに見えたが、監督作『ブリュレ』が劇場公開されていたさなかの2008年10月31日夜、スタッフと別れた後、連絡が取れなくなった。数日後の11月5日朝、異変に気づいたスタッフが事務所を訪れたところ、倒れている林田氏を発見し、病院へ搬送したが、すでに息を引き取っていた。死因は公式には発表されていないが、死亡確認日は11月1日とされた。あまりに早すぎる、享年32歳での突然の訃報だった。

通夜および葬儀は、故人の遺志や遺族の意向により、近親者のみで静かに営まれた。その後、同年11月14日には、林田氏を慕う映画関係者や多くのファンが集まり、「林田賢太監督おわかれ会"映画葬"」が開催され、故人を偲びながら別れを告げた。

手がけた主な作品は以下の通り。

プロデュース作品
ともかの夢みたこと（2000年） - 第2回インディーズムービーフェスティバル6位

監督作品
サマージャンボ（2000年） - 第3回インディーズムービーフェスティバル4位
東京フリーマーケット（2001年） - 第4回インディーズムービーフェスティバル グランプリ受賞
愛のモルヒネ（2004年、寒水映房）
隣之怪 弐談 バック物件（2006年）
JOHNEN 定の愛 メイキング（2006年）
ブリュレ（2008年）

脚本作品
銭道4 男と女の金融講座（2004年、東映ビデオ）
銭道5 無限連鎖講（2004年、東映ビデオ）
探偵ブギ（2005年、フォーサイド・ドット・コム）
桜2号（2007年、朝日放送）

著作物
ブリュレ（2005年、プラネットジアース）

（脚注および外部リンク情報は、記事本文では割愛します）

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