林義正

林義正 (はやし よしまさ)

林義正（1938年生まれ）は、日本の著名な自動車エンジニアであり、教育者としても多大な貢献を果たしています。彼は東京都文京区で生まれ、幼少期は第二次世界大戦の混乱の中、佐賀県に疎開しました。佐賀では困難な経験を経た後、彼は九州大学工学部航空工学科を卒業。その後、1962年に日産自動車に入社し、エンジン開発に従事しました。

日産自動車でのキャリア

日産入社後、林は中央研究所に配属され、排気音や燃費の改善に取り組みます。特にプロトタイプレーシングカーのエンジン開発において、彼は重要な役割を果たし、VRH35エンジンの開発責任者となりました。このエンジンは、ル・マン24時間レースや世界スポーツプロトタイプカー選手権（WSPC）などで使用され、多くの成功を収めました。

特に注目すべきは、1992年のデイトナ24時間レースでの勝利です。この成功により、国内外での知名度が向上し、日産ブランドの評価も高まりました。林は1993年に日産を退社し、その後のキャリアを教育と研究に寄与することになります。

東海大学での活動

日産退社後、林は東海大学工学部の教授として、モータースポーツに関連する技術開発を行いました。彼は株式会社ワイ・ジー・ケー（YGK）との提携により、プロトタイプレーシングカーや環境に配慮したエンジンの研究を推進しました。また、ミヤマ株式会社と共同でエコドライブナビゲーションのプロジェクトにも関与しました。

2001年には株式会社マックフォースを設立し、会長として大学の研究成果をビジネスに応用する道を切り開きました。2008年には、学生たちとともに再びル・マン24時間レースに参戦し、名誉ある成果を収めました。

技術的貢献と特許

林の技術的な功績は多岐にわたります。日産でのキャリア中には、メタルガスケットや急速燃焼理論などの革新的な技術を導入し、レーシングカーの性能を向上させました。さらに、東海大学では多点同時点火プラグや環境低負荷型エンジンヒートポンプシステムなど、新しい技術を開発しました。

また、彼は複数の特許を保有しており、その中にはリーンバーンエンジンや低燃費火花点火エンジンに関する技術も含まれています。

著書と受賞歴

林義正は、自身の研究成果を基にしたさまざまな書籍も著しています。特に『レーシングエンジンの徹底研究』や『ル・マン24時間 闘いの真実』といった作品は、多くのファンに支持されています。2011年には、フランス西部自動車クラブより「The spirit of le mans award」を受賞し、その業績が広く認められました。

まとめ

林義正は、自動車エンジニアとしてだけでなく教育者としても多くの貢献を果たし、彼の業績はモータースポーツの発展に不可欠な存在として位置づけられています。彼の努力と情熱は、今も多くの人々に影響を与え続けています。

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