林野調査

林野調査について

林野調査（りんやちょうさ）は、日本の統治時代における台湾に関する重要な調査事業でした。これは、1910年（明治43年）に台湾総督府が公布した「台湾林野調査事業規則」に基づき、同年から1914年（大正3年）、さらには1918年（大正7年）までの5年間をかけて行われました。この調査は、台湾全土の山林や原野を対象にした測量作業、図面作成、そして所有権の確定を目的としていました。

背景

台湾は、1895年に清朝から日本に割譲され、その後の治世の中で様々な土地調査が実施されました。1898年（明治31年）には台湾総督府臨時土地調査会が設立され、「台湾地籍規則及び土地調査規則」に基づいた地籍調査や三角測量が行われることとなります。この土地調査によって、清朝以来の土地関係が整理され、特に大租戸や小租戸、小作農の間の権利関係が明確化されていきました。1903年には、大租権者に対して補償金が交付され、小租戸が真の土地所有者として認定されました。しかし、この土地調査事業は田畑に限定され、山林や原野については手をつけられませんでした。

林野調査の手順

林野調査も、他の土地調査と同様のプロセスで進められました。最初に、土地の所有者や利用者が調査の申請を行い、その後、測量や製図が行われました。最後には、実際の土地とその所有権の確定が行われました。こうした手続きは、明確な地権を持つための重要なステップであり、多くの利益関係者が関わっていました。

林野調査の効果

この林野調査の結果、当局は167,054件の申請を受理し、実測された面積は973,736甲に達しました。そして、所有権が確定した結果、民有地として認められたのは56,961甲（約5.8パーセント）に対し、国有地とされたのは916,775甲（約94.1パーセント）でした。この調査から得られたデータは、台湾の大部分の林野が官有として再評価されることに繋がります。

特に、林野調査を通じて得られた情報は、事業家への林野払い下げに関する法的および経済的な基盤を提供しました。これにより、台湾における資本主義の発展や日本資本による台湾征服という大きな流れが、林野分野においても確実に進行することが可能となりました。したがって、林野調査は台湾の経済的変革の一端を担う重要な施策だったといえます。

このように、林野調査は台湾総督府による土地管理の重要な一歩であり、台湾の経済や社会における権利関係の整理に大きな影響を与えました。

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