枝むち

枝むち（えだむち）

枝むちは体罰の一形態で、主にカバの枝を利用して作られます。これにより、罰を受ける者の臀部が叩かれることが多いです。また、稀に背中や肩が叩かれることもあります。枝むちはその特性上、特定の手法や材料に依存しています。

枝むちの構造と種類

典型的に、枝むちは数本のカバの枝を束ねて作られます。英語では「birch rod」と呼ばれるこの道具は、時には単独の棒ではなく、ヤナギやハシバミなど、さまざまな木材が用いられます。特にハシバミの枝を使用した枝むちは、その痛みの強さから有名で、歴史的には特に効果的とされてきました。

枝むちのサイズや形状は多様で、その大きさや重さ、枝の本数によって威力が異なります。懲罰を行う際には、使用される枝むちは標準化され、一部の施設では特別な仕様が導入されることもありました。例えば、ダートムア監獄では成人の受刑者に対し、特定のサイズの枝むちが使用されていました。

使用方法と体勢

打たれる対象が小さい子供の場合、加罰者は子供を膝の上に乗せ、一定の体勢で打つことができます。子供が大きい場合は椅子に掴まって前屈みになり、尻を突き出させることもあります。法的な懲罰として行う際には、受刑者を固定させることも大切です。

監獄や矯正施設への設置物は「枝むち打ちのロバ」や「小馬」と呼ばれるものがあり、打たれる者の姿勢を固定するために使われました。学校での具体的な体罰方法には、ホーシングという方法があり、他の生徒に支えられる形で打たれることが一般的でした。特にエリート校では、専用の木製の台に跪かされることが多かったです。

枝むち打ちの歴史

19世紀まで、枝むちはヨーロッパにおいて一般的な体罰の手段でした。監獄によっては、九尾の猫鞭よりも恐れられる存在とされ、特に少年に対しては臀部に対して打たれることが多かったです。歴史上、枝むちは法廷や学校の両方で活用され、20世紀までは成人に対する法的な体罰や教育的な懲罰として使われていました。

特にイギリス海軍では、少年水兵の懲罰として猫鞭に代わって枝むちが導入されました。その後、法的な処罰として用いる枝むちは1960年代まで続きましたが、現在ではほとんど使用されていません。イギリス全土では1948年に枝むち打ちが廃止されましたが、マン島などの特定地域では一部の規制が残っています。

現代における枝むちの利用

現在、枝むちは体罰として用いられることは少なくなりました。また、教育現場での使用も事実上なくなっています。トリニダード・トバゴなど一部の地域では、依然として合法的な刑罰として残る場合もありますが、多くの国が体罰を禁止する方向に進んでいます。

一方で、枝むちはSMやBDSMの実践においても扱われています。また、フィンランドなどでは、サウナで使われるマッサージ方法の一部として使用されることもあります。この場合は痛みを伴わず、リラクゼーション効果が重視されます。

結論

枝むちは多くの文化で長い歴史を持つ体罰の手段であり、現代ではその役割が変化してきました。体罰としての役割が薄れ、リラクゼーションや性的なプレイの道具として新たな形で利用されることもありますが、社会における身体的な懲戒の重要性については、引き続き様々な議論が続いています。

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