枝廣篤昌

枝廣 篤昌

枝廣 篤昌（えだひろ あつまさ）氏は、1962年9月22日生まれの日本の医学者であり、多岐にわたる文化活動でも知られる人物です。精神科医として地域医療に貢献する傍ら、社会人落語家「芸乃虎や志」や俳優、講演講師、笑いヨガ指導者としても精力的に活動しています。特に「笑い」のもつ力に着目し、医療現場や様々な場面でその効用を伝えるユニークな取り組みを行っています。

経歴

神奈川県で育った枝廣氏は、1981年に神奈川県立厚木高等学校を卒業。同期には俳優の六角精児氏らがいます。その後、愛媛大学医学部医学科に進学し、1989年に卒業しました。医師免許取得後、1993年には愛媛大学附属病院精神科で助手を務め、精神科医としてのキャリアをスタートさせます。1994年からは、愛媛県四国中央市にある財団法人新居浜精神衛生研究所附属新居浜病院（現在の豊岡台病院の前身を含む）に勤務。2006年には副院長に昇任し、2010年からは附属豊岡台病院の病院長として、現在に至るまで地域精神医療の要職を担っています。

主な活動

精神医療と「笑い」

枝廣氏の活動の根底には、「笑い」が精神医療にもたらす可能性への深い洞察があります。病院長を務める豊岡台病院では、「笑い」で心身を支える医療をモットーの一つとして掲げ、その実践に取り組んでいます。精神科医としての専門知識に加え、文化活動で培った経験を生かし、患者さんのウェルビーイング向上を目指しています。

落語活動

大学時代から落語に親しみ、愛媛大学落語研究会に所属。当時は「二代目愛狂 亭恋楽」の高座名で活動していました。卒業後は社会人落語家へと転身し、「芸乃虎や志（げいのこやし）」を名乗ります。精神科医としての多忙な業務の傍ら、全国各地で高座を務め、その腕前は高く評価されています。特に、2010年10月24日に開催された「第二回社会人落語日本一決定戦」では、創作落語「お婆ちゃんのお手玉」で優勝し、見事、二代目社会人落語名人の栄冠に輝きました。また、後進の育成や落語文化の普及にも力を入れており、2005年からはアマチュア落語家が集う「新居浜落語祭」を主催（2006年より「四国大落語祭」に改称）しています。現在は「新居浜で落語を聴く会」代表も務めています。

笑いヨガ（ラフターヨガ）

インド人医師マダン・カタリア氏が創始した「笑いヨガ」の普及にも熱心に取り組んでいます。笑いの体操とヨガの呼吸法を組み合わせたこの健康法を、病院内だけでなく広く一般にも紹介し、講座などを通じてその効果を伝えています。患者さんのストレス軽減や免疫機能向上への貢献を目指すこの活動は、精神科医としての知見と結びついた枝廣氏ならではのユニークな取り組みです。笑いヨガ界隈では、「あっちゃん先生」の愛称で多くの人々に親しまれています。コロナ禍においては、オンラインでの笑いヨガ活動を継続するため、2020年3月には「Zoomラフタークラブジャパン（ZLCJ）」を立ち上げ、多くの人々が自宅からでも笑いにつながれる機会を提供しました。

その他の分野での活躍

「日本笑い学会」四国支部代表として、笑いをテーマにした講演会やイベント企画・実施にも積極的に関わっています。また、俳優としても活動しており、

2018年には映画「ふたつの昨日と僕の未来」（大森研一監督・脚本）に真田議員役で出演。
2020年3月には愛媛朝日テレビ開局25周年オリジナルドラマ「ニーハムの旅」（富永昌敬監督）に岩井花子（中村ゆり）の恩師、大野先生役で出演しています。

さらに、ラジオパーソナリティとしても活動しており、

2020年よりFM新居浜にて「芸乃一門夜の戯れ」を、
2022年4月からは同じくFM新居浜にて、金子みすゞ作品を朗読で紹介する番組「あっちゃん先生と旅する、金子みすゞの世界」を担当しています。

2025年1月6日には、NHK Eテレの健康情報番組「きょうの健康」に出演し、笑いの健康効果や笑いヨガについて解説する予定であり、その活躍の場は広がり続けています。

精神科医として人々の心の健康を支えながら、落語や演劇、講演、笑いヨガといった多様な表現活動を通じて「笑い」の力を社会に発信し続ける枝廣篤昌氏は、医療と文化が融合した新しいタイプの活動家として注目されています。

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