架刑のアリス

『架刑のアリス』は、由貴香織里による日本の漫画作品で、講談社の『ARIA』で連載後、『少年マガジンエッジ』に移籍して完結しました。

あらすじ

物語は、日本有数の財閥である久遠寺家を舞台に展開されます。久遠寺家では、月に一度「いかれたお茶会（マッド・ティー・パーティー）」という奇妙なしきたりがありました。四女の星（ステラ）が慕う長兄・是乃（ゼノ）の19歳の誕生日、お茶会のテーマは「仮装パーティー」で、参加者はパートナーを同伴するという条件が課せられます。兄妹たちが思い思いの仮装で集まり和やかな時間を過ごしていた矢先、母である織雅（オルガ）が衝撃的な事実を告げます。それは、次期当主を選出するために、兄妹たちに殺し合いをさせるというものでした。重傷を負う是乃、襲い掛かる兄妹たち、そして星の中で目覚める狂気の人格「血塗れのアリス」。少女は大切なものを守るため、命を賭けたサバイバルゲームに身を投じることになります。

登場人物

主要人物

久遠寺星（くおんじステラ）
本作の主人公。久遠寺家の四女で、普段はおしとやかなお嬢様ですが、怒ると手がつけられなくなる一面も。長兄である是乃を誰よりも慕っており、彼のことを何よりも大切に思っています。右手の平に傷があり、是乃の左手にも同じ傷があるのは、幼い頃に飛行機事故に遭遇し、同じ部品で手を貫かれたためです。本人は気づいていませんが、他の兄妹に比べて家族愛や友情に恵まれているため、周囲の嫉妬を買いやすい体質です。戦魂は血塗れアリス。

九重月兎（ここのえつきと）
九重の孫で、霊媒体質の持ち主。内向的な性格ながらも芯が強く、ステラにストーカーのように付きまとっています。久遠寺家の黒兎見習いとして、常日頃からステラをサポートしており、彼女の身を案じています。ステラが幼いころに施設で出会ったゼノは、彼の人格の1つであることが後に判明します。

久遠寺是乃（くおんじゼノ） / 灰（ラウム）
久遠寺家の長男で、穏やかで規律を重んじる性格。兄妹間の揉め事を仲裁する役割を担っています。ステラとは同じ施設の出身で、彼女のことを特に可愛がっています。お茶会の最中に銃で撃たれて重傷を負い、ステラを庇ってシドに殺されてしまいます。その後ステラの願いにより蘇生しますが、以前とは性格が変わり、女性に声をかけたり暴力的な言動をするようになります。実は、ステラと是乃が乗っていた飛行機を墜落させた「鷲宮教団」の灰であり、他人のDNAをコピーして顔を変える能力を持っています。

久遠寺家

久遠寺家の兄妹たちは全員養子であり、互いに血の繋がりはありません（双子のソルとマレを除く）。

久遠寺志度（くおんじシド）
久遠寺家の次男で、乱暴な性格。ステラを毛嫌いしており、彼女を庇う是乃とも折り合いが悪い。最初に戦魂に目覚め、切り裂きジャックとしてステラに襲い掛かりますが、彼女を庇った是乃を殺したことでステラの怒りを買い、返り討ちにされます。

久遠寺紅亜（くおんじくれあ）
久遠寺家の三女。ステラのことを「スーちゃん」と呼んでいます。久遠寺家に来たばかりのステラに最初に声をかけ、仲良くなりました。困っている人を放っておけないお人好しで、末っ子のメルムの面倒をよく見ています。

久遠寺海（くおんじマレ）
久遠寺家の四男で、ソルの双子の弟。身体は男性ですが、自分は女性だと思っています。暗く尊大な性格で、ステラを毛嫌いしています。血塗れアリスとなったステラと戦い、殺害されます。戦魂は水を操る能力。

久遠寺太陽（くおんじソル）
久遠寺家の三男で、マレの双子の兄。唯一血の繋がったマレを溺愛しています。明るく朗らかな性格ですが、内心は歪んでおり、他人を傷つけることを厭いません。弟の仇を討つためにステラと戦いますが、敗れます。戦魂は炎を操る能力。

久遠寺厘流（くおんじミセル）
久遠寺家の次女。爬虫類が好きで、黒魔術や毒薬などのオカルト趣味を持っています。容姿にコンプレックスを持っており、普段は眼鏡をかけて顔を隠しています。戦魂は地獄の小夜啼鳥。

久遠寺荊（くおんじいばら）
久遠寺家の長女。舞台衣装のような服装と古風な話し方をします。かつてボクシングジムを営む両親のもとで育ち、過酷なトレーニングに明け暮れていました。戦魂は怪力。

久遠寺メルム（くおんじメルム）
久遠寺家の五男で、末っ子。言動や知能が幼く、いつもクレアが面倒を見ていました。

久遠寺織雅（くおんじオルガ）
久遠寺家の女当主で、9人兄妹の母親。見た目は若い女性ですが、実年齢は76歳。兄妹たちに殺し合いを命じます。

久遠寺細零（くおんじさざれ）
9人兄妹の父親で、オルガの夫。彼もまた、かつての「殺しあい」に参加した人物のようです。

久遠寺家の使用人

黒兎（くろうさぎ）
久遠寺家に雇われている黒服のボディーガード達の総称。

九重（ここのえ）
黒兎のリーダーである三柱の1人。月兎の保護者。

六道（りくどう）
三柱の1人で、軽薄な性格の男性。

三國（みくに）
三柱の紅一点の真面目な女性。

鷲宮教団

世羽（よはね）
鷲宮教団の宗主。レイジナとは恋人同士だった。

レイジナ
世羽の彼女。物語開始時点ですでに故人。

チェシャ
灰の弟のような存在。飛行機事故のことを知っている。

書誌情報

由貴香織里『架刑のアリス』講談社〈KCx ARIA〉、全11巻

外部リンク

『架刑のアリス』由貴香織里｜ARIA｜講談社コミックプラス

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