柏 (駆逐艦)

駆逐艦「柏」：知られざる艦艇の生涯

「柏」は、大日本帝国海軍が建造した樺型駆逐艦の7番艦として、その短いながらも重要な役割を担いました。三菱長崎造船所で建造され、第一次世界大戦という激動の時代に、日本の海上防衛の一翼を担った「柏」の生涯を詳細に解説します。

起工から竣工、そして第一次世界大戦へ

1914年11月3日、「柏」は三菱長崎造船所にて起工されました。当時の日本は、世界的な軍拡競争の波に乗り、海軍力の増強を図っていました。1915年2月14日に進水、同年4月4日に竣工し、帝国海軍の一員として正式に編入されました。

第一次世界大戦（1914年7月28日 - 1918年11月11日）中、「柏」は1917年から1919年にかけて、シンガポール方面の警備や地中海での海上護衛という重要な任務に従事しました。異国の海で、日本の国益を守るために活動したのです。

除籍、そしてその終焉

1932年4月1日、「柏」は帝国海軍から除籍されました。時代の流れとともに、より高性能な艦艇が求められるようになり、その役目を終えたのです。1933年1月12日には、廃駆逐艦第4号（二代）と仮称され、その艦としての生涯に幕を閉じました。

歴代艦長

「柏」の艦長を務めたのは、以下の面々です。彼らは、激動の時代に「柏」を率い、その任務を遂行しました。

水木宇一 少佐：1915年3月1日 - 1916年12月1日
後藤章 少佐：1916年12月1日 - 1918年7月5日
有地十五郎 少佐：1918年7月5日 - 1919年9月15日
水谷耕喜 中佐：1919年9月15日 - 1919年12月1日
保村禎一 大尉：1919年12月1日 - 1920年5月24日
加来博胤 少佐：1920年5月24日 - 12月1日
和田省三 少佐：1920年12月1日 - 1921年12月1日
彭城昌国 少佐：1921年12月1日 - 1922年12月1日
清水長吉 少佐：1922年12月1日 - 1924年6月1日
池田久雄 少佐：1924年6月1日 - 1925年4月1日
清水他喜雄 大尉：1925年4月1日 - 1927年8月10日
田原吉興 大尉：1927年8月10日 - 1927年11月15日
大石堅志郎 大尉：1927年11月15日 - 1928年5月16日
門前鼎 少佐：1928年5月16日 - 1928年9月27日
秋山輝男 少佐：1928年11月1日 - 1929年11月1日
有田貢 大尉：1929年11月1日 - 1931年4月1日

まとめ

駆逐艦「柏」は、その短い生涯の中で、第一次世界大戦という激動の時代を駆け抜けました。シンガポール方面や地中海での警備・護衛任務を通じて、日本の国益を守り、その存在感を示しました。除籍後は静かにその役割を終えましたが、その名は日本の海軍史に確かに刻まれています。

「柏」の歴史を紐解くことは、当時の日本の造船技術や海軍戦略、そして世界情勢を知る上で貴重な手がかりとなります。この艦に携わった全ての人々の努力と情熱に、改めて敬意を表します。

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