柏崎トルコ文化村

柏崎トルコ文化村：夢の跡と友好の証

柏崎トルコ文化村は、かつて新潟県柏崎市に存在したテーマパークでした。異国情緒あふれるトルコの文化に触れることができる場所として、地域住民を中心に親しまれていました。

概要：異文化体験と経営の難しさ

トルコ文化村では、ベリーダンスのショーやトルコ雑貨の販売、本格的なトルコ料理レストランなど、様々なアトラクションが用意されていました。また、トルコ共和国の初代大統領であるケマル・アタテュルクの銅像が設置され、異国情緒をより一層引き立てていました。

しかし、県外からの集客は伸び悩み、経営状態は厳しさを増していきました。その後、柏崎市が跡地を引き継ぎ、入場無料の施設として再出発を試みましたが、2004年に発生した新潟県中越地震の影響で客足が激減し、再建を断念せざるを得ませんでした。

ケマル・アタテュルク像を巡る騒動と移設

閉鎖後、アタテュルク像が倒壊の危険性から台座から外され、野ざらしになっていることが報道されると、トルコ大使館から移設の要請がありました。日本財団の協力により、像は東京都お台場の船の科学館で修復・一般公開された後、2010年6月に和歌山県串本町樫野の樫野埼灯台近くの広場に移設されました。

串本町は、1890年にオスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が遭難した際、住民が救助活動に尽力したという歴史的な背景があり、日本とトルコの友好の地として知られています。アタテュルク像は、その友好の象徴として、樫野埼灯台の近くに設置されることになりました。

歴史：開業から閉鎖まで

1996年7月、新潟中央銀行が主導したゴールデンリング構想の一環として、柏崎トルコ文化村は開業しました。イスタンブールの街並みを再現した園内には、様々な施設が設けられ、多くの観光客が訪れました。

しかし、1998年以降、客足は徐々に減少。新潟中央銀行の破綻も重なり、資金繰りは悪化の一途を辿りました。2001年には休業となり、2002年に柏崎市が土地建物を買い取って再オープンしましたが、2004年の中越地震の影響で再び閉鎖されることとなりました。

柏崎トルコ文化村騒動：閉鎖後の混乱

文化村の運営を巡っては、閉鎖後も様々な問題が発生しました。特に、トルコ大使館からの書簡の真偽を巡る騒動は、メディアでも大きく取り上げられました。その後、土地建物の譲渡先を公募することになり、最終的には地元の企業に譲渡されました。

柏崎トルコ文化村は閉鎖されましたが、その跡地には、友好の証としてのアタテュルク像が和歌山県串本町に移設され、今もなお、日本とトルコの友好関係を象徴する存在として、人々に親しまれています。

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