柘植あづみ

柘植 あづみについて

柘植あづみ（つげ あづみ、1960年生まれ）は、日本の著名な医療人類学者で、明治学院大学の教授として生殖技術や不妊治療の研究を中心に活躍しています。三重県で生まれた彼女は、中学校から高校までの学びを愛知県で過ごし、その後埼玉大学理学部で生体制御学を専攻し、1983年に卒業しました。

彼女は大学院でも研究を続け、1985年には埼玉大学大学院理学研究科で生体制御学の修士課程を修了しました。その後、三重大学医学部で助手として勤務しながら、1990年代にはお茶の水女子大学大学院で人間文化研究に進み、1996年に『医師の生殖医療技術観』に関する研究で博士の学位を取得しました。この研究は日本の産婦人科医の意識と行動を分析したものであり、彼女の学問的な基盤を築く重要な成果となりました。

その後、1997年には北海道医療大学の助教授として教育に関わり、その後1999年に明治学院大学の社会学部へ移籍し、助教授を経て2003年に教授となります。彼女は、国際ジェンダー学会の会長を務めたり、2018年には学部長、2021年からは副学長に就任するなど、学内外で多くのリーダーシップを発揮してきました。

柘植さんの研究は生殖技術、不妊治療、ジェンダーに関連するテーマが中心で、特に医師とのインタビューや事例研究を通じてこれらのテーマを深く掘り下げています。彼女は『文化としての生殖技術 - 不妊治療にたずさわる医師の語り』で2000年度の山川菊栄賞を受賞し、その功績は広く認められています。

著作も豊富で、1999年には自身の主著である『文化としての生殖技術』を出版しました。2010年には妊娠と体に纏わる政治を論じる『妊娠を考える』を、2012年には『生殖技術 不妊治療と再生医療は社会に何をもたらすか』を発表し、それぞれ注目を集めました。また、幾つかの共著書もあり、社会と科学技術の接点を見据えた研究を展開しています。

彼女の研究は、医療や生殖に関わる多様な視点を提供し、倫理的な問題や社会的な影響を考察する重要な貢献をしています。柘植あづみの業績は、医療人類学のみならず、現代の社会的な問題への洞察を深める上で、大変意義深いものといえるでしょう。

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