柚木馨

柚木馨の略歴と業績

柚木馨（ゆのき かおる、1902年4月9日 - 1965年11月19日）は、日本の法学者で、主に民法の分野で著名な業績を残しました。京都府加佐郡舞鶴町（現・舞鶴市）に生まれ、本籍は鹿児島県にあります。彼は1949年に新設された神戸大学の第4代学長を務め、学界に多大な影響を与えました。さらに、大学院博士課程の設置を強く推進した結果、現在の教育制度にも寄与しています。

学歴と初期のキャリア

1919年に京都府立第一中学校を卒業後、第三高等学校に入学。1922年に文科甲類を卒業し、さらなる学問を求めて京都帝国大学に進みました。1925年には法律科を卒業し、同時に大学の助手としての業務を始めました。その後、神戸高等商業学校（現在の神戸大学）で講師としてのキャリアをスタートし、1927年には教授に昇進します。民法の研究を深めるため、1930年までドイツやイタリア、アメリカで留学し、その後神戸商業大学の教授として教壇に立ち続けました。

満州への転任と帰国

1940年、神戸商業大学を辞し、満州国の新京法政大学の教授に転任します。しかし、満州国の消滅に伴い1945年に自然退職となります。帰国後は神戸経済大学に復帰し、その後神戸大学教授となり、両大学での教育活動を続けます。1950年にはローマ法に関する研究で法学博士の学位を取得し、さらに学問の道を進むこととなります。

学長としての貢献

1963年、柚木は神戸大学の学長に就任します。在任中には、大学の総合化や学部の再編成を進め、医学を含む自然科学系の強化を図りました。また、大学院の博士課程設置を目指して努力しましたが、当時の文部省から厳しい反応を受けることとなり、1965年の学長就任式では精力的に文部省に対する批判を織り交ぜた式辞を読み上げました。

晩年と遺産

柚木は1965年に病に倒れ、同年11月に学長在任中に亡くなります。享年63歳で、彼の死は多くの人々に悲しみをもたらしました。彼の貢献は学術界において大いに評価され、没後には正三位に叙され、旭日重光章が追贈されました。大学葬も盛大に行われ、多くの教え子が彼をしのびました。

著作

柚木は多くの著書を残しており、特に民法に関する著作が有名です。代表的な著書には『判例物権法総論』や『民法概要』などがあります。また、彼は共著や編著の形でも多くの書籍を出版し、法学の発展に寄与しました。彼の学問的営みは、法学のみならず広く社会にも影響を及ぼしました。

まとめ

柚木馨の生涯は、日本の法学の発展とともに歩んできたものであり、彼の業績は今なお多くの法学者や学生に学ばれています。民法という専門分野においては、彼の研究が後の世代に与えた影響は計り知れません。

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